材料研究者を魅了する「金属の音色」 @ふぇらむ:鉄鋼協会
一般社団法人日本鉄鋼協会の会報誌“ふぇらむのテクノスコープの連携記事として
「鍛造が生み出す音の美:明珍火箸風鈴の振動と音響特性」が掲載された。
ふぇらむ”Vol.30/No.5/20245のテクノスコープでは、“材料研究者を魅了する「金属の音色」”と題して、様々な楽器に使われる金属材料について、それらの音色との関係を、以前から金属材料と音色の関係について研究を続けてこられた田中將己教授(九州大学 工学研究院 材料工学部門)にインタビューしており、上記連携記事は、田中將己教授と東京科学大学の渡邊玄助教によるものである。
渡邊玄助教は、もう1報、「音を紡ぐ800年の技:明珍火箸風鈴の伝統と未来」も連携記事として書かれている。ただし、
これら連携記事を読むには、鉄鋼協会の会員である必要がある。
鉄鋼協会はTechno Scopeを会員以外にオープンにしていますので、“材料研究者を魅了する「金属の音色」”の記事は下記よりお読みいただけます。
この記事の中で、田中教授は、フルートの音色は“あまり”材料に影響をうけないと考えておられますが、フルート経験者の筆者は材質がニッケル合金からプラチナに替えた時、低音もそうですが、高音の響きが良くなった気がしました。音色と材質との関係は奥が深いようです。
<明珍家>
明珍家は平安時代から続く甲冑氏の家系で、現在53代当主の明珍宗敬氏が兵庫県姫路市で明珍本舗として工房を構えている。
火箸風鈴の音色の特徴は、単独での音色のすばらしさのみならず、二本の火箸が共鳴することによるうなりと音の持続性にある。
そのためには二本の火箸を形状まで瓜二つとする必要があり、これを明珍氏は、鍛造でつくりあげる。
明珍火箸の音色
→【姫路市立美術館】インスタレーション作品「派生-太刀 明珍火箸-」ver.2 (文化観光拠点計画認定記念特別展「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」第2章) - YouTube
上記映像で刀が出てくるが、これは明珍家の次男、宗敬氏の兄の刀匠 宗裕氏作である。
玉鋼の火箸風鈴は、宗裕氏が折り返し鍛錬し、棒材と加工した後、宗敬氏が火箸風鈴に仕上げていく。
玉鋼ならではの澄んだ音色で、うねりや余韻豊かである。
<東京近郊の方が明珍火箸の音色を体感するには>
2025年5月15日(木)から19日(月)に日本橋高島屋で、
「第44回 この道ひとすじ~日本の伝統錬~」が開催されます。ここで直接音色を体感できる。火箸風鈴の素材はSS200材だけでなく、ピアノ線やチタンも使用されている。
もちろん、玉鋼の澄んだ音色も体感できる。
第44回 〜この道ひとすじ〜日本の伝統展 | 日本橋高島屋S.C.
写真下は昨年、日本橋高島屋で開催された日本の伝統展での、53代宗敬氏の出展の風景
(明珍火箸風鈴の他、チタンのおりん、花台、自在置物などが展示されている。)
筆者は、2021年に取材させていただいている。ただし下記は有料記事となる。
第53代明珍宗敬氏をお訪ねして@明珍鍛冶展 姫路山陽百貨店 | MIRU
下記は2023年11月に、明珍鍛冶場をお訪ねした際の、第53第宗敬氏
(IRUNIVERSE tetsukoFY)
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