コバルト資産の運用を手掛ける英コバルト・ホールディングスPLC(Cobalt Holdings PLC)は6月4日、ロンドン証券取引所で、計画していた同取引所への株式上場を断念すると発表した。実現すれば資金調達額が最大2億3000万ドルと、ロンドン証取でも2025年で最大規模の新規公開株式(IPO)となる予定だった。
プレスリリース:IPO Update - 17:13:51 05 Jun 2025 - News article | London Stock Exchange
上場を取りやめた理由は明かされていないが、ロイター通信は6月5日までに、投資家の需要が不十分だったとの観測を報じている。同社は米国での重複上場も予定していたが、米上場分についての発表はない。
コバルト・ホールディングスはコバルトの現物のみを保管し、購入者との取引を仲介する取引企業。コバルトは構造的な供給過剰の一方でコンゴの輸出制限で急騰するなど価格が不安定だが、コバルト・ホールディングスの仲介により、購入者は需給によらず安定価格でのコバルト調達が可能になるとしていた。コバルト現物の提供には、スイス資源大手のグレンコアが6年間の供給契約を結び、資本提携もする予定だった。
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