大和製罐 世界初の押出チューブ水平リサイクルの実証実験を実施
― プラスチック資源循環の実現へ向け、digglueがパートナーとして参画 ―
生産時に発生する化粧品・日用品用の押出プラスチックチューブ片を回収・再資源化・商品化。 企業連携による押出チューブの資源循環モデルの構築を目指す。
株式会社digglue(本社:東京都新宿区、代表者:原英之)は、6月10日、大和製罐株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口裕久)と共同で、世界初*化粧品用プラスチック押出チューブの水平リサイクルに向けた実証実験を2023年6月から2024年5月の期間で実施した。同取り組みを通じて、CO2 削減と持続的な循環型社会の実現を目指していく。
*調査機関:2025年4月SVPジャパン調べ | 調査基準:食品用途を除いた商用押出チューブ
◆ 実証実験の背景と狙い
近年、循環型社会の実現に対するニーズが高まるなか、化粧品や日用品に使用されるプラスチック製の押出チューブにおいても製造過程や充填時に発生する廃プラスチックや使用済みのチューブの再資源化が求められるようになってきた。また、CO2等の温室効果ガス(GHG)排出量や製品の環境配慮を可視化することで、ステークホルダーの理解を得ていくことも循環型社会の実現に不可欠な要素となっている。
こうした課題に対し、大和製罐とdigglue ではリサイクル事業を展開するヴェオリア・ジャパングループ協力のもと、押出チューブにおける製造工程で排出された廃プラスチックを粉砕・再生ペレット化。そこで得られた再生プラスチック材を配合し、押出チューブの試作~品質評価~効果試算までを行った(2023 年)。
◆ 実証実験の結果
実証実験の結果、容器製造に必要となる成形性を維持しつつ、化粧品・日用品容器としての品質基準を満たしていることが確認された。また、押出チューブの製造工程で排出された廃プラスチックを再利用することで、大和製罐東京工場から排出されるCO2排出量を従来の製造工程比で約33%削減できることが効果試算※の結果で明らかになった。
※製造工程、購入材料の製造工程、それに伴う輸送、廃棄、リサイクル処理までをシステム境界として試算。
<実証実験 実施期間> 2023年6月~2024年5月
◆今後の展望
今回の実証実験結果を踏まえ、工場内の廃プラスチック材を活用した押出チューブの水平リサイクルの実現(製品化)を推進していく。また長期的な目標として充填工場で発生するロス品や、消費者から排出された使用済容器についても、再生プラスチック材の原料としての水平リサイクルも検討していく。(PHASE2)
また、ステークホルダーの協力を得ていくために、弊社提供の資源循環デジタルプラットフォーム「MateRe-Visualization(マテリ・ビジュアライゼーション)」や「MateRe-Traceability(マテリ・トレーサビリティ)」を活用し、温室効果ガス(GHG)排出量やトレーサビリティデータの可視化を行うことでステークホルダーへの提案を進めていく。同取り組みは、官民連携による循環経済のさらなる理解醸成と取組促進を目指す「循環経済パートナーシップ(J4CE)」にも事例として掲載されている。
(IR universe rr)
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