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自動車リサイクルサミットⅣ in 東京 国内外の識者が語る、変貌する中古車・廃車市場の最前線

 IRUNIVERSEは6月25日、秋葉原UDXにて「自動車リサイクルサミットⅣ in 東京」を開催した。近年、大きく様変わりしつつある中古車輸出、オークション流通、廃車リサイクルの実態と課題に迫るべく、国内外の官民学の識者が一堂に会し、約120名の来場者を迎えて活発な議論が繰り広げられた。今回のサミットでは、自動車メーカー、解体業者、輸出・流通業者、再生材関連事業者、さらにはインドからのゲストスピーカーまで、多彩な顔ぶれが登壇。各セッションでは、グローバルな視点から自動車リサイクルを取り巻く最新動向と業界が直面する課題が多角的に語られた。

 

 

 冒頭では、特定非営利活動法人自動車流通市場研究所の中尾聡理事長が、日本の中古車輸出市場の成長推移とその背景を解説。続いて、トヨタ自動車 環境エンジニアリング部の嶋村高士氏が、日本自動車工業会(自工会)としての再生材活用に向けた中長期のビジョンと自主目標を紹介した。また、一般社団法人日本自動車リサイクル機構(JAERA)専務理事の阿部知和氏からは、制度施行20年目を迎えた自動車リサイクル制度の成果と課題、さらには電動車普及と資源流出の実態について現場感ある報告がなされた。

 

 現場視点からの講演としては、会宝産業の鈴木大詩氏が自社のITシステムを活用したグローバル部品流通の仕組みを紹介。タウの赤間裕樹氏は、損害車の価値を最大化する「カー・トリアージ」概念をベースに、地域社会との連携や災害支援を含む多面的な取り組みを披露した。

 

 とりわけ注目を集めたのは、MRAI事務局長のAmar Singh氏による講演。急増する使用済車両と制度整備の遅れに直面するインドにおいて、MRAIが取り組む制度提言と啓発活動の現状が語られ、参加者の多くがアジア新興国における課題と可能性に耳を傾けた。

 

 

 続いて、プラニック代表取締役の山下晴道氏は、廃車由来プラスチックを再び自動車に使用する“Car to Car”樹脂リサイクルの国内最前線について説明。同社が欧州の技術を導入し、日本で初めて高度な選別リサイクル体制を確立したことに注目が集まった。

 

 後半セッションでは、Power eeeの芋生誠氏が太陽光発電設備のリユース事業について講演。越谷市での自家消費型モデルの実証事例や銀資源の回収事業などを紹介した。また、セントパーツの種谷謙一氏は、近年の中古車オークション市場の活況と円安の影響によって、自動車解体市場が直面する構造的な変化について警鐘を鳴らした。SEI Automotive Europe GmbHの松本郁氏がドイツELV市場の現状を解説し、サミットの国際的な視野を広げた。加えて、日本シーム株式会社 営業本部 営業部 部長の舩橋悟氏は、自社が手がけるプラスチック再生装置や工場設計・施工事業について紹介。続く講演では、株式会社オークネット 常務執行役員の大畑智氏が登壇。中古車オークション市場の成長過程と、今後のデジタル化・国際化の進展について展望を語った。

 

 

 最後には、自工会・JAERA・タウ・プラニック・セントパーツ・山口大学の代表者らによるパネルディスカッションが実施され、「自動車のサーキュラーエコノミーと見えない廃車の輸出」というテーマのもと、制度設計、統計把握、業界連携のあり方について活発な意見交換が行われた。

 

 

 なお、翌26日には希望者向けに、エコアールおよびアライオークションバントラの工場視察ツアーが予定されており、理論と実務の融合を図る貴重な機会となる見込みだ。

 

 本サミットに関する詳細な講演内容や取材記事は、後日MIRUにて順次公開予定。

 

 

6.25 自動車リサイクルサミットⅣ in 東京 ~様変わりした中古車・廃車市場の今~

 

 

(IRuniverse Lin)

 

 

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