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JX金属、丸紅と共同で銅鉱石から銅を回収する技術の営業開始

 8月8日、JX金属株式会社(社長:林 陽一)は、丸紅株式会社(社長:大本 晶之、以下「丸紅」)と、同社が独自に開発した低品位の銅鉱石から銅を回収する技術「JXヨウ素法※1(以下「本技術」)」について、共同で営業活動を開始することとしたと発表。本共同営業では、丸紅が有するクロスボーダーなネットワークを活用し、銅の最大生産国であるチリ国をはじめとする各国の鉱山会社に対して、ライセンス供与や導入サポートによる適用拡大を進めていくとの事だ。

 

 JX金属グループは、2040年JX金属グループ長期ビジョンにおいて、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針とし、資源・金属リサイクル事業からなるベース事業は、最適な規模の事業体制の下、銅・レアメタルの安定供給を通じて成長のコアであるフォーカス事業を支える基盤として位置づけている。銅は脱炭素化の進展に伴い今後さらに需要が拡大していくことが見込まれているが、既存銅鉱山においては鉱石中の銅の低品位化が進行し、安定供給への懸念が高まっている。また、新規銅鉱山の開発が進められているが、奥地化・高地化に加え、環境保全や地域社会との共生の観点から、持続可能な形での開発が求められており、年単位の開発期間がさらに長期化する傾向にある等、これら要因が重なることで、供給面での課題が顕在化しつつある状態だ。こうした状況の中、銅の安定供給に向けて、未利用資源の有効活用に対する関心が高まっている。

 

 同社は従来技術に比較的簡便な追加設備のみで、未利用資源とされている低品位の初生硫化鉱※2から銅を回収できる「JXヨウ素法」の特許および操業ノウハウを保有している。本技術は、銅の安定供給のみならず、鉱山の山命延長、一層の競争力強化、より効率的・長期的な事業運営の可能性にもつながるもので極めて重要な意義を有するものであるとしている。これまでWIPO GREENのデータベース登録※3をはじめ、本技術の普及を進めていたが、今般、その適用をさらに加速・拡大させることを目的として、丸紅と共同で本技術の導入提案を行うことで合意した。

 

 同社の資源事業では、本件のようにアセットライトなビジネスであるライセンス・技術供与の取り組みを今後も継続して行っていく予定としている。当社は先端材料のグローバルリーダーとして、新たな価値創造への挑戦と持続可能な社会の実現に貢献していくと意気込んでいる。

 

(参考)

※1;従来技術の湿式製錬方式であるヒープリーチングSX-EWにヨウ素を添加することで触媒的な作用を起こし、低品の初生硫化鉱から銅を回収できる技術
ヒープリーチング:破砕した鉱石を堆積(ヒープ)した後、希硫酸を散布し、銅を浸出(リーチング)させ回収する方式。
SX-EW:溶媒抽出電解採取法のこと。ヒープリーチングでの浸出液に溶媒を加えて銅イオンを選択的に抽出(溶媒抽出)後、溶媒から硫酸で銅イオンを逆抽出した液を電気分解して電気銅を生産(電解採取)する方式。
※2;鉱床の下部に存在が確認されながらも、従来の浮遊選鉱法やリーチングでは経済的に銅の回収が難しい鉱石
※3;2020年10月30日付けプレスリリース「環境技術に関する技術交流の国際的枠組み「WIPO GREEN」への参画 ―「JXヨウ素法」の技術登録―」
 

 

(IRuniverse Ryuji Ichimura)

 

 

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