BASF、ウェリオンに半固体電池向け正極材を初納入
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、9月1日、Beijing WELION New Energy Technology Co., Ltd. (北京ウェリオン・ニューエナジー・テクノロジー、以下ウェリオン社、本社:中国北京)との協力により、半固体電池向けの正極材(CAM)の大量生産分 の初回ロットを納入したと発表した。これは固体電池の産業化に向けた重要な一歩となる。これにより、BASF のバッテリー事業本部は、合弁会社である BASF Shanshan Battery Materials Co., Ltd.(BSBM)を通じて、次世代電池テクノロジーの重要なマイ ルストーンを達成した。
新エネルギー産業の急速な発展に伴い、市場では電池に対し、より高いエネルギー密 度とさらなる安全性の向上が求められている。半固体電池をはじめとする固体電池は、次世代電池テクノロジーとして幅広い注目を集めている。
ウェリオン社は、主に電気自動車、エネルギー貯蔵、ドローンや電動工具などの用途に 用いられる固体電池技術の研究開発において、40 年以上の実績を持つ先駆者として 知られています。BSBM は、BASF と Shanshan がそれぞれ培ってきた 20 年にわたる正極材の開発と製造の専門知識を有し、固体電池の重要な課題に対処する技術 力を備えている。
2024 年 8 月のプロジェクト開始以来、両社はシームレスなチームワークと技術向上に 対する共通の取り組みにより、わずか 1 年で構想から量産化を実現。BSBM の研究開発チームは、CAM と固体電解質間の界面問題を解決するため、独自の複合 コーティング層を備えた超高ニッケル NCM(ニッケル・コバルト・マンガン)正極材を開 発した。これは、容量の増加と抵抗の低減によりエネルギー密度を高めるだけでな く、CAM と電解質の界面における副反応を抑制することで、サイクル特性とカレンダー寿命も向上させる。この提携の成功は、次世代の先進電池に向けた真のマイルスト ーンと言える。
BSBM の最高技術責任者である Dr.シン・シアは次のように述べています。「このプロジ ェクトの商業化を実現できたのは、当社の高度な技術力と技術チーム間の緊密な連携 による成果です。」また、ウェリオン社のエンジニアリング研究所の所長である Dr. ウェ ンジュン・リー氏は次のように述べている。「電池産業の未来に共同で貢献できること を誇りに思います。」
ウェリオン社のゼネラルマネージャーである Dr. ジン・シアン氏は次のように述べている。「BASF の堅牢な技術と迅速な対応に感銘を受けました。固体電池業界をリードす るメーカーとして、当社は次世代の半固体電池に BASF の正極材を採用していきます。 今後も、国内外におけるさらなる共同プロジェクトを楽しみにしています。」
BASF バッテリー事業本部のシニアバイスプレジデントであり、BSBM の CEO であるデ ズモンド・ロングは、次のように述べている。「ウェリオン社からの信頼に心より感謝 申し上げます。今回の提携は当社の電池材料事業における重要なマイルストーンであり、固体電池分野における大きな前進となります。今後もウェリオン社との協力関係を さらに深め、固体電池技術において共にさらなるブレークスルーを達成できることを楽 しみにしています。」
今回のマイルストーンは、ウェリオン社と BASF で次世代電池技術の開発、商業化、そ して大規模な産業化を加速させていくという、両社のコミットメントを反映するもの。ウェリオン社の固体電池における先駆的な専門知識と BASF の先進的な材料イノベー ションを組み合わせることで、両社はより安全で高エネルギー密度のソリューションに向けた有意義な進化を推進しています。半固体電池用の正極材の納入に成功したこと は、両社のグローバルな協業における戦略的な進展を象徴するものであると同時に、 電池業界における今後のブレークスルーの基盤を築くものだ。
(IR universe rr)
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