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ブラジル、英アングロのニッケル事業売却を調査へ 中国企業への売却に危機感か

2025/09/04 16:21
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 ブラジル経済擁護行政委員会(CADE)が、英アングロアメリカンによる同国資産の中国企業への売却について調査を始めた模様だ。英経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が9月3日に伝えた。中国企業による海外資産の買収はカナダやオーストラリアなどで阻止された経緯がある。

 

 

■経済集中に危機感

 オランダの鉱業系複合企業 コアXホールディングス(CoreX Holding)が、売却による中国企業の経済集中を理由に異議を申し立てたという。アングロは2月18日、中国国有資源大手の五鉱資源(MMG)に対し、フェロニッケルを含むブラジルのニッケル事業を売却すると発表していた。売却総額は500億ドル(約7兆4000億ドル)。

 

プレスリリース:Anglo American agrees sale of nickel business for up to $500 million | Anglo American

 

 アングロは2024年に豪同業のBHPに仕掛けられた敵対的買収を回避して以来、非中核事業の売却と財務状態の改善を急いでいる。

 

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■カナダや豪州でも売却阻止

 世界では、産業寡占や安全保障上の危機感から、中国企業による資産売種を当局が阻止する事例が相次いでいる。2024年には、カナダや豪州で買収案件が差し止めになった。

 

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 また銅やコバルトの生産国であるコンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)でも、現地企業の買収案件阻止の背景に米中対立が見え隠れする。コンゴの場合は企業買収だけでなく、コバルトの輸出停止措置などの裏にも米中対立の影響が潜む。

 

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(IR Universe Kure)

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