余り勉強していない非鉄金業界の諸兄には無縁の事だが、今日本は大学だけでなく、政府機関も沈滞している。非鉄精錬会社へ入社して丁度50年の筆者が毎週通い続けてきたJogmec図書館が閉鎖されることとなった。この様な出来事に気付かない諸兄とは無縁の事だが、今日本国内に非鉄製錬の図書が完備している場所は、Jogmec以外には国会図書館しかないのだ。
一般人が勉強しようと足が向く非鉄金属学ぶ場所は、無くなるのである。Jogmecの幹部は、日本の本当の実情を全く知らないであろう。それだけ日本は荒廃しているのだ。その理由は日本全体が学ぶ姿勢が全く欠けているのだ。Jogmec幹部だけではない。もっと重大な危機は非鉄金属業界の幹部そのものにある。
毎週通うJogmec図書館に通う人間が居ない事は、非鉄金属業界は今の世界の変革に気付いていないか、気付こうとしていないか、どちらかである。つまり将来を悩んでいないのだ、と思わざるを得ない所まで、落ち込んでいると思う。
日本経業協会は政府に補助金だけを求め、自身の組織に図書館すら機能していない。業界が全体で沈み込んでいる事すら自覚していないと言わざるを得ない。
しかし2050年は鉄鋼から主役が銅に代わる時代になると言うのが世界のシンクタンクの予測である。この状況を理解できているのであろうか?
元非鉄金属業界で育てて頂いた身としては、何としても今の状況を理解していない業界幹部に物申したい。
(IRuniverse Katagiri)