中国銅大手の雲南銅業が17日に深圳証券取引所で発表した2022年12月期決算は、純利益が18億800万元と前の期の2.8倍に伸びた。銅の精錬費用の上昇で恩恵を受けた。
一時的要因を除いた実質的な純利益は4.9倍増の18億1100万元。売上高は6.2%増の1349億1500万元と、増収増益を確保した。銅精鉱の荒加工(TC)・精錬加工(RC)費用がともに上昇し、増収につながった。硫酸価格も堅調で、増収に貢献した。MIRUのプライスデータによると、2022年の銅相場は夏に一段安となるなどさえない展開だったが、雲南銅業の精錬事業には原材料価格の下落に結び付ついた。
過去3年間のLME銅相場の推移(US$/ton)
雲南銅業の親会社である雲銅集団は1958年創立の老舗の銅生産会社だったが、2007年に中国国有の中国アルミ業が買収し、雲南銅業は以来、中国アルミグループの銅業上場企業として機能している。雲南大紅山鉱山などでの銅の生産から精錬まで手掛けるほか、黄金やプラチナ、硫酸なども生産。「鉄峰」ブランドで銅カソードなどを上海やロンドンの先物取引所に上場している。セレンやパラジウム、インジウムなどのレアアース回収も手掛ける。
(IR universe Kure)