ロンドン金属取引所(LME)が国際取引所の地位を危うくしている。フェロニッケルの取引ではすでに国際指標の地位を失ったとの見方が浮上した。2022年のニッケル取引の混乱が響き、取引所としての信頼が失墜している。
米ブルームバーグ通信が6月1日、フランスの鉱山大手エラメットのクリステル・ボリーズ最高経営責任者(CEO)の発言を伝えた。ボリーズ氏は、フェロニッケルの取引は既に上海期貨交易所(SHFE)が算出している指数が国際指標になっていると指摘したという。エラメットは世界第2のフェロニッケル生産会社とされる。
ポリーズ氏は、LMEについては「市場の基礎的条件(ファンダメンタルズ)とLMEの倉庫に保管されている現物との価格乖離が拡大している」とし、「純金属としてのニッケル取引が減っているにもかかわらず、LMEが純金属としてのニッケル価格を基準に価格設定している点が問題だ」と話したという。
LMEは5月末、ニッケルのほか銅やアルミニウムの一部価格の算出方法について見直しを検討していると発表した。同所は2022年3月にニッケル取引を巡る混乱を引き起こし、2023年3月初旬には英国の金融行為監督機構(FCA)の捜査が入ることが決まった。LMEはニッケル取引について事件後しばらくアジア時間の取引を停止していたが、2023年3月に再開したばかりで、混乱からの回復を進めているとしていた。
(IR Universe Kure)