夏の硫黄、硫酸市場のファンダメンタルは春からほとんど変わっておらず相場は下落が続いている。硫酸はトン当たりFOB japanベースでマイナス10〜20ドル、硫黄はトン当たり30〜110ドルと幅広ではあるが、中心値は70ドル前後。高値は固形硫黄のブライスとなる。 2年前に硫酸が150ドルつけたときは遥か昔のことのように思える。
硫酸は国内外で実需不振。国内は肥料向けも頼みの酸化チタン向けもいまひとつふたつ。。需給バランスは崩れており余剰感強し。
(硫酸需給令和5年6月)
さりとて、硫酸の場合は貯蔵し続ける訳にもいかないので、継続的に出荷を続ける必要がある。それゆえに相場はマイナスとなっているのだが。
アジア地区(インド含む)でもCFR30〜50ドル、チリ向けCFRで90ドル前後。だが需要は弱い。フィリピンの住友金属鉱山のニッケル製錬(HPAL)向け硫酸需要は安定しているが。。フィリピン向けがなければなお相場は下落したことだろう。
アジアおよび中国市況はやや上向いているが、これはあまりにも硫酸相場が下がったために売りを止めていることが多少、影響しているかと思われる。
硫酸はこのまま値下がりを続けるのだろうか?
「9月、10月は例年、秋肥の需要が出てくる。中国でも金九銀十といって需要高まるシーズンでもあるので期待したい。
国内では10月〜11月に住友金属鉱山東予製錬所とJXの佐賀関で定期炉修がある。特に東予は今回2ヶ月の長期にわたるため、ここで国内の硫酸需給バランスは引き締まるだろう」と大手硫酸サプライヤー担当氏は見ている。
(iruniverse tanam)