欧州連合(EUの)欧州議会は4月26日、ホームページ上で、「4月25日の議会で、エネルギー憲章条約(ECT)から離脱することで合意した」と発表した。気候変動の真っただ中にあり、化石燃料の保護的意味合いが強いECTがもはや時代遅れになったとの認識を示した。
ECTは1994年に設立した多国間条約で、エネルギー産業に関する貿易や投資、企業活動などを保護・促進するための宣言「エネルギー憲章」を実行することを目的とする。日本は1995年にECTに署名した。現在までに約50か国がエネルギー憲章に加盟している。
当時の時代背景としては、冷戦末期のソ連や東欧諸国を国際的なエネルギー貿易の枠組みに参加させようとする動きがあった。ただ内容が1990年代から変わらず、エネルギー保護的な色彩の強いECTを巡っては近年、訴訟も増えていたという。
欧州議会は発表資料中で、「同条約が欧州グリーンディールやパリ協定に基づくEUの気候目標ともはや両立しないと考えている」と指摘。2023年7月からEU加盟国による協調的な離脱を提案していたと説明した。
プレスリリース(英語):MEPs consent to the EU withdrawing from the Energy Charter Treaty | News | European Parliament (europa.eu)
(IR Universe Kure)