30日午後0時に山口県周南市野村南町の日鉄ステンレス山口製造所で集塵機ダクトが破裂する事故が発生し、地元テレビや新聞、ネットニュースでも大きく報じられたため、業界関係者はすでに周知のことと思われる。
日鉄ステンレスによると、ステンレスのスクラップを溶かす電気炉と、粉じんが外に漏れ出さないようにする「集じん機」をつなぐダクトが破裂したとのこと。原因は調査中(5/31現在)
中国新聞などによると
当時、近くの電気炉操作室に5人いましたが、けがはありませんでした。また別の男性(20代)が鼻血を出すなどして病院に運ばれたということです。周辺への被害やガス漏れなどの情報はないということです。
工場近くの人は「ドーンと雷が落ちたような音がして、外に出ると茶色い煙が見えた。その後消防車5~6台が中に入っていった」と話していました。
日鉄ステンレス関係者、ステンレススクラップサプライヤーなどに聞くと
山口製造所(周南)は元々稼働率が低水準だったこと、光製造所(光エリア)が現在月間4万トン以上のステンレス生産を行うまで増加していることで、日鉄ステンレス全体での生産影響、または原料需給で大きな影響はない、と思われる、とのこと。周南の製鋼再稼働は現時点では未定。
またステンレススクラップの購入については、周南はやはり落ちることにはなるが、光での生産が増えているため、日鉄ステンレス全体ではスクラップ購入量が大きく落ちる、ということは避けられそうだ。というよりも、スクラップの発生のほうが悪いため、光の増産で供給が不足している可能性がある。
しかし最近は立て続けに鉄鋼関係の工場で設備トラブルが相次いでいる。
東京製鐵田原工場での製鋼設備トラブル(ガス関係とみられる)(5月25日)
JFE条鋼姫路での集塵機火災事故(5月28日)
そして
日鉄ステンレス山口製造所での集塵ダクト爆発事故(5月30日)
これらの原因としては設備の老朽化と人的な問題もあろうかと考えられる。設備メンテナンスに熟知した人材の不足など。とするならばこうした製鋼工場の事故、トラブルはまだ続くだろう。大事故にならなければ良いが。。
(IRUNIVERSE/MIRU YT)