三菱重工業は、鉄鋼世界大手のアルセロール・ミタルとともに、回収した二酸化炭素(CO2)を鉄鋼や化学製品の原料となる一酸化炭素(CO)に変える技術について、アルセロール・ミタルのゲント製鉄所(ベルギー)で、実証試験を始める、と発表した。CO2再利用の先進技術を持つベルギーのディ・カーボンと協働する。実証試験は、CO2排出量を削減するために開発されたディ・カーボンのプラズマ変換技術を初めて適用するという。こうした実証は、製鉄所としては世界で初めてになる。
ディー・カーボンは、プラズマでCO2をCOに変換する技術を持つ。再生可能エネルギー電力で、炭素と酸素の結合をプラズマで切り離すことで、CO2をCOに変換する。できたCOは高炉で使うコークスや原料炭の一部代替として製鉄プロセスに利用されたり、ゲント製鉄所で化学品や代替燃料製造の原料にも活用できる。
この技術に必要とされるのは、高純度なCO2。ゲント製鉄所で高炉ガスと圧延再加熱炉の排ガスからCO2を回収する実証試験に使われている三菱重工のCO2回収装置から供給される。
(IRuniverse Kogure)