田中貴金属工業は11日、マレーシアの大手資源回収企業MEP Enviro Technology Sdn Bhd(MEPSB)と貴金属回収技術援助契約を締結したと発表した。MEPSBは、マレーシア・ペナン州のブキット・ミニャック工業団地に新たな回収工場を建設しており、同工場において田中貴金属工業は、E-wasteからの貴金属リサイクル技術支援を行う。
発表によると、MEPSBがマレーシア国内において廃棄物の集荷および、貴金属を濃縮するための前処理を行う方向で体制づくりを進め、その濃縮された貴金属を日本の田中貴金属の拠点で高純度精製し、再利用につなげる。
マレーシアの電子部品・半導体製造などのエレクトロニクス産業は、1970年代に多国籍企業が進出したことをきっかけに、50年以上にわたって成長してきた。現在、ペナン州には300社以上の多国籍なエレクトロニクス製造工場があり、多種多様な電子部品・電子機器・半導体の製造が行われているという。
田中貴金属工業取締役常務執行役員の道前彰彦氏は、「大手リサイクル企業であるMEPSBと連携することで、マレーシアで貴金属材料のリサイクル事業を加速させる。また、2025年4月のバーゼル条約の改定を見据えて、各国でのリサイクル体制の強化が求められており、弊社では、今後も貴金属製品の生産からリサイクルまでのネットワークを東南アジアにも広げていく」と語った。
【MEPSB社の概要】
社 名:MEP Enviro Technology Sdn Bhd(MEPSB)
創 業:2005 年
代 表:Ivan Ong
売 上 高:62.7 億円(2022 年)
従業員数:580 名(グループ全体。マレーシアでは 450 名)
拠 点:マレーシア(4 工場)、タイ、ベトナム、フィリピン、シンガポール、香港
(IRuniverse G・Mochizuki)