英豪資源大手リオ・ティントは10月9日、自社ホームページ上で、米豪リチウム大手アルカディウム・リチウム(Arcadium Lithiumを買収することで同社と合意したと発表した。買収額は67億ドル(約1兆円)で、33億ドル程度と見られていた買収提案額の2倍以上に上った。買収手続きは2025年半ばに完了する。
プレスリリース(リオ・ティント):Rio Tinto to acquire Arcadium Lithium
プレスリリース(アルカディウム):(Rio-Tinto-to-acquire-Arcadium-Lithium-October-9-2024.pdf (q4cdn.com)
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アルカディウム側も同日、自社ホームページ上で同様の発表をした。リオ・ティントはアルカディアム株1株当たり5.85ドルを全額現金で支払う。買収価格は両社が買収提案を認める直前の10月4日のアルカディウム株終値に対し90%高い水準となる。買収提案前まで、アルカディウムの資産価値は40億-60億程度と見積られていた。
リオ・ティントは今回の買収により、リチウム供給で世界3位の規模となる。アルカディウムはアルゼンチンやオーストラリア、カナダなどでリチウム生産を手掛けるが、足元のリチウム価格の低迷を受けて業績は悪化。9月に西オーストラリア州でのリチウム鉱山での採掘停止を決めたと発表したばかりだった。
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一方、リオ・ティントは鉄鉱石を中心としたオールドエコノミー型の事業からの転換を急ぐ。リチウムに関しては、電気自動車(EV)の普及観測などを背景に中長期の需要を堅調に見ているようだ。米ブルームバーグ通信によれば、今回の買収は、リオ・ティントにとっても現金での買収としては過去17年間で最大規模となる。
(IR Universe Kure)