日本製鉄グループの中核商社である日鉄物産は12月11日、自社ホームページ上で、「バングラデシュの鋼材・建築製品の加工・販売会社との間で、同国の土木・建設関連での協業で覚書を結んだ」と発表した。経済成長が拡大するバングラディシュでの建材需要の増加を見据え、鋼材販売拡大を目指す。
■10年越しの取引関係、協業強化
協業するのはマクドナルド・スチール・ビルディング・アンド・プロダクツ(McDonald Steel Building Products Ltd、 MSBPL、本社:バングラデシュ)。両社は既に2011年から鋼材取引を開始し、2014年1月には合弁会社も設立していた。今回の覚書をもとに、一段と協力関係を強化する。
プレスリリース:バングラデシュの大手鋼材加工販売会社 McDonald Steel Building Products Ltd. とMOU を締結|2024年度|日鉄物産株式会社
■5%成長続けるバングラ、建設業の拡大も続く
(出所:世界経済のネタ帳)
バングラデシュは高成長を続ける国の1つだ。2023年の実質国内総生産(GDP)は前年比5.78%伸びた。2024年は5.40%の成長を見込む。新型コロナの影響があった2020年を除き、2000年代はおおむね5%超の成長を維持する。
建設業はこの中でも成長分野で、調査会社モーダー・・インテリジェンスによると、建設市場規模は2024年から2029年までの5年間に年平均6.42%のピッチで拡大する見通しだ。高速道路や発電所の整備などのインフラ開発と、住宅建設を中心とした都市化が建設業の好調につながっている。鉄鋼やセメントの需要は強い。
バングラデシュの建設市場規模の拡大予測
(出所:モーダー・インテリジェンス)
(IR Universe Kure)