ウクライナのゼレンスキー大統領は2月15日、訪問先のドイツ・ミュンヘンで、米国が求めていた鉱物供与への合意について「2月12日にサインを拒否した」と明かした。また理由を「(将来的な)安全保障への言及がなかった」として、安保の確約が条件だと説明した。ロイター通信などの外電が2月16日に伝えた。
2019年、ゼレンスキー・ウクライナ大統領とトランプ米大統領
(出所:Wikipedia)
ロイターによると、ゼレンスキー氏は、「それ(米国案)は我々の利益にも、主権国家ウクライナの利益にもならない」と述べた。また、「文書には、セキュリティ保証についてあまり具体的なことは書かれていなかった。こちらにとってはセキュリティは非常に重要で、セキュリティ保証と投資との間のつながりだ」とも話したという。
交渉は続いており、ウクライナの2人の情報筋は2月15日、ウクライナ側が米国側に修正草案を提出したと明かした。
■対象鉱物、ウランやチタンも含まれるか
これより先に、米NBCテレビは2月14日、トランプ米政権は、ウクライナとのパートナーシップ協定の一環として同国のレアアース鉱物の50%を所有することを目指していると伝えていた。また、トランプ氏は2月初旬の時点で既にウクライナのレアアース資源への関心を明かしてもいた。
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ただ、記事にもあるようにウクライナはレアアース資源自体はさして多くない。このため、「取引」対象となる鉱物には、同国が多く保有するウラン、チタン、鉄鉱石、マンガンなどが含まれるとの見方が浮上していた。
(IR Universe Kure)