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トランプ関税、漁夫の利はどこ? 中東、インド、ウクライナ…変化ディールに供給網を再構築

 トランプ米新政権によるカナダ、メキシコ、中国向けの輸入関税が2月4日に発効した。カナダ向けは30日間延期されたものの、くるくる変わるトランプ流に、世界の企業のサプライチェーン(供給網)再構築の流れは続く。米企業が注目しているのは中東やインド、メキシコ以外の南米、そしてトランプ氏が言及したウクライナであるようだ。

 

■アルミはインド中東、銅はチリとペルー

 2月3日のロイター通信は業界筋の話として「米国企業はアルミニウムで中東とインドに、銅はチリとペルーに目を向ける」との見方を伝えた。報道によると、米国に流通するアルミは半分以上がアルコアやリオティントなどがカナダで生産する製品で、代替輸入元を探す必要があるという。アルコアは1月23日、トップが「オーストラリアでの生産分を米国に輸出することが考えられる」との考えを示したと伝わっていた。

 

関連記事: 米アルミ大手Alcoa 米国の関税ルール次第ではカナダ回避か 豪州からの輸出を増やす可能性 | MIRU

関連記事: トランプ関税、世界の資源身構える カナダ鉄鋼企業が受注見合わせ、アルコアは迂回輸出示唆 | MIRU

 

 ほかにアルミの調達先として米国で有望視されているのはインドとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンだという。JOGMECのマテリアルフローによると、インドのアルミ地金生産量はカナダと同じく世界の5%。UAEは3%だ。

 

世界のアルミ地金生産国と消費国

(出所:JOGMEC)

 

 一方、ロイターはシティグループのアナリストの分析として、「銅と銀はペルーとチリ、金はスイスなどが、代替の調達元になりそうだ」との見方を伝えた。

 

■戦争支援、「ウクライナとレアアースでディール」

 注目はウクライナにも集まる。2月3日のカナダCBCニュースはトランプ米大統領が同日、ホワイトハウスの大統領執務室で、「ウクライナがロシアに対する戦争努力を財政的に支援するための支払いとして、米国に希土類(レアアース)を供給することを望んでいる」と述べたと伝えた。

 報道によると、トランプ氏は「我々(米国)はウクライナに、非常に貴重なレアアースがあると言っている」と話し、「我々はウクライナと取引(ディール)をすることを検討している。我々が彼らに与えているものを彼らのレアアースや他のもので確保するつもりだ」と述べた。「ウクライナは喜んでいるよ」とも付け加えたという。

 一方、ウクライナメディアの2月3日報道によると、ウクライナ大統領府筋は、米国へのレアアース供給について「戦勝計画の一部」だと認めた。「ゼレンスキー大統領が2024年秋にトランプ氏と会談した際に提案した」という。しかし、「まずはウクライナの安全が保証されることが必要だ」との姿勢も示していると伝わった。

 

 もっとも、ウクライナは、レアアース埋蔵量はさして多くない。主要生産鉱物はウラン、チタン、鉄鉱石、マンガンで、レアアースは米国の方がむしろ大きな埋蔵量を持つ。このため、トランプ氏が言及したのが「レアアース」なのか「レアメタル」なのかはっきりしないとの指摘も多い。

 

世界のレアアース埋蔵量

(出所:JOGMEC)

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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