環境省は27日、第4回ヤード環境対策検討会を開き、報告書の骨子案を示し了承を得た。それによると、「有害性の観点を踏まえた規制のあり方」を基本的な方向性として打ち出し、焦点のひとつになっている「廃鉛蓄電池などの有害性の高い物」については解体基準などを定め、処理環境を整備しながら、国内解体を優先する制度作りを検討するとの考えが示されている。
「廃棄物や有害使用済機器に該当しない金属スクラップ等の不適正な保管や処理に起因する騒音や悪臭、公共水域や土壌の汚染、火災等の生活環境保全上の支障を防止する」ことを目的として取り纏められた基本的方向性のポイントは以下の4点である。「有害性」の観点を踏まえた規制の在り方がはっきり打ち出されている。
報告書骨子案では、「廃鉛蓄電池等の解体に伴う生活環境保全上の配慮は十分か」として、個別に鉛蓄電池とリチウムイオン電池の解体・処理などに言及している。
「鉛蓄電池の解体・精錬に伴う生活環境保全上の支障事例」では、解体によって生じた廃液が場外に流出し、排水から環境基準を超える鉛が検出された事例などに触れ、足元で起きている問題点を指摘している。廃リチウムイオン電池の処理を巡っても、それを原因とする火災が多発している現状などを踏まえて、破損による発火事故の可能性に言及している。
鉛蓄電池については、廃鉛蓄電池から取り出された巣鉛などを、バーゼル法に基づく輸出手続なしに不適正に輸出しようとした事例が確認されているとして、「不適正輸出を防ぐ仕組みとして更なる検討が必要か」としている。
報告書の骨子案では、「ヤードの実態」として、再生資源物の保管等事業場数は全国に3,260件あり、そのうち関東地方に2,019件が集中している実態にも触れている。生活環境保全上の支障が発生している事例は165事業所で計211件あるという。
(IRuniverse G・Mochizuki)