
ダイレクトドライブ式発電機
風力発電関連事業を行うアチハ(大阪府大阪市)と解体工事・産業廃棄物処理・金属リサイクル事業を行うイボキン(兵庫県たつの市)は6日、2024年に兵庫県で施工した風力発電機解体工事でダイレクトドライブ式発電機の永久磁石を取り出し、国内100%資源循環を実現することに成功したと発表した。
ダイレクトドライブ方式の風力発電機では、発電機部分に希土類永久磁石(ネオジム磁石)が使われていることが一般的。希土類永久磁石はネオジム、ジスプロシウム、テルビウムなどの希少鉱物が使用されているが、それらの国内自給率はほとんどゼロに近い状態だ。鉱山開発によるバージン原料自給率は0%で、リサイクル原料自給率も少ない状況にある。
非常に強力な磁力がある永久磁石は解体作業に危険が伴うが、アチハとイボキンの両社は適切な対策と作業手順で安全に解体を行い、解体現場やイボキン龍野工場で脱磁処理を実施。十分な脱磁処理後に、国内大手非鉄商社を通して国内需要家に再生資源として販売を行い、国内100%資源循環に成功した。
風力発電機が益々大型化していくなかで、永久磁石ダイレクトドライブ方式の風力発電機は増えていく可能性が高く、そこで使われる磁石量も多くなると想定される。両社は今回の事例で得たノウハウを活かし、引き続き資源の循環に貢献していく考えだ。
(IRuniverse K.Kuribara)