3月26日の ニューヨーク商品取引所(COMEX)で銅先物価格は一時$5.3740/lbと、2024年5月以来およそ10か月ぶりに過去最高値を更新した。米国の関税前倒し観測が米企業の先回りしての備蓄確保を誘った。ロンドン金属取引所(LME)の取引とは温度差があり、米企業の焦りが高まっている。
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過去3か月間のNY銅価格の推移($/lb)
3月26日のNY銅価格の終値は$5.24/lb(約1万1108/ton)。NYの銅価格は2025年に入ってからの3か月弱で約3割上昇した。同日の米ブルームバーグ通信が消息筋の話として、「トランプ米政権は、銅輸入に対する関税を数週間以内に発動する可能性がある」と伝えた。トランプ氏はかねて、すべての銅製品に対し25%の関税を課すとの姿勢を示している。2月には商務省に対し、関税導入に向けた調査を実施した上で、270日以内に結果を提出するよう求めていた。消息筋は、調査は270日間よりも速いピッチで進み、関税導入も前倒しされるとの見通しを明かしたという。
一方、LMEの銅価格は後追い感が出ている。LME銅の3月26日終値は$9884/tonで、前述した同日のNY銅終値に比べ$1224安い。2025年に入ってからの上昇率も1割程度で、3月20日に節目の$1万に乗せた後はやや足踏みしている。
過去3か月間のLME銅価格の推移($/ton)
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(IR Universe Kure)