カンボジア英字紙のプノンペン・ポストが5月20日に伝えたところによると、2024年の同国の鉱業税収は約1億ドルと前年比79%増えた。海外投資の呼び込みなどが奏功し、産業が形成されつつある。
■平和が産業を育成
同国のケオ・ラタナック鉱業・エネルギー相が同日、同国南部コンポンスプー州のセメント工場の落成式での演説で明かした。ラタナック氏は「平和が産業育成を促進している」とした上で、「カンボジアの鉱業はまだ初期段階にあるが、国内外の投資誘致が奏功し、新たな税収源となりつつある」と話したと伝わった。
2024年はコンポンスプー州だけで鉱業税収が500万ドル超に達し、2025年1-3月期には74鉱業事業で1,900人の直接雇用が創出されたとも伝わった。
■ボーキサイトや金の埋蔵を確認
カンボジアの地図
(出所:Wikipedia)
カンボジアはボーキサイト、鉄、マンガン、金、銅等など鉱物の賦存が知られているが、長年の内紛の影響で国家体制が整っていないほか、経済活動も疲弊しているため、輸出段階まではこぎつけていない。日本勢はJOGMECが2010年から探査などで協力している。ほかにはシンガポールやカナダの企業が金などの採掘に乗り出している。
なお、今回竣工したコンポンスプー州のセメント工場は、カンボジアのセメント工場としては6か所目。これにより、カンボジアは自国産セメントで国内需要を賄えるようになったとされる。工場は中国安徽省の国有セメント大手、海螺國際(コイチ・・インターナショナル)との合弁で建設した。
(IR Universe Kure)