6月9-10日に英ロンドンで開かれた米中通商協議の結果、レアアースの輸出規制が解消される可能性が出てきた。それぞれの閣僚が持ち帰った合意内容を両国首脳が承認するかがカギとなる。
AFP通信をはじめとする外電が6月11日に伝えたところによると、両国閣僚は会議で貿易を前進させるための「枠組み」で合意した。このうちラトニック米商務長官は記者団に対し、レアアースと磁石に関する懸念が「合意の実施に伴い解消されるだろう」と、楽観的な見方を示した。米通商代表部のグリア代表も「できるだけ早急に進めていく」と語り、「中国の関与については前向きに受け止めている」と話したという。
一方、中国の李成剛・国際貿易代表も記者団に、「われわれの意思疎通は非常にプロフェッショナルで道理をわきまえ、内容も深く、かつ率直なものだった」と述べたと伝わった。
今回の通商会議に先立ち、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は6月5日に電話会談を行った。中国は6月に入り、一部米国企業向けにレアアースの輸出認可を出したとみられるほか、欧州向け輸出を加速する方針を示すなど態度を和らげている。
世界では特に自動車産業でレアアース不足による生産への影響が出始めていた。
(IR Universe Kure)