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中国経済、7月は悪化深まる 融資20年ぶりマイナス、不動産回復せず・指標一覧

2025/08/15 18:12
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 中国国家統計局が8月15日に発表した中国の2025年7月の主要経済指標は、景気悪化の様相が強まった。人民元建て新規融資が20年ぶりにマイナスとなり、融資よりも返済が上回る状況になった。不動産開発投資の伸びは1-7月にとうとう減少率が12%に達した。消費関連の景況感も悪化し、心理の冷え込みがうかがえる。

 

 

2025年の中国の主な経済指標

注)単位は新規融資以外は前年同期比増減で%、新規融資は元。GDPは四半期。不動産開発投資と固定資産投資は年初からの累計。▲はマイナス。

(中国国家統計局、中国海関、中国汽車工業協会、中国人民銀行などの発表をもとにIR Universeが作成)

 

 多くの指標が6月までから悪化した。特に銀行融資はロイター通信の概算で500億元のマイナスとなった。7月は中期決済を終えたばかりのため例年、新規融資は鈍りがちだが、それでもマイナスとなったのは企業活動の縮小の証左となる。製造業の景況感指数は4月以来の低水準となり、工業生産高は2024年11月以来の低い伸びとなった。消費関連もサービス業の景況感指数がやはり2024年11月以来の低い伸び。小売売上高も伸びが鈍化し、物価も回復しなかった。

 好調だったのは輸出だが、これは米国との関税交渉前の駆け込みの面もある。新車販売の伸びも電気自動車(EV)向け政策が押し上げた面が強い。政策の後押しがあるはずの固定資産投資が鈍ってきていることも不安を誘う。

 

中国の不動産開発投資の減少率推移

(出所:中国国家統計局)

 

 不動産の低迷が止まらない中、金融政策などの当局が採れる手段は限られつつある。米国は8月12日、中国との関税交渉期限を11月までに3か月間延長した。この間に何らかの巻き返しがあるかが注目される。

 

(IR Universe Kure)

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