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米露停戦対談、鉱物資源が再び焦点の1つか アラスカLNGやウクライナ金属など

2025/08/18 15:49
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 米トランプ大統領とロシアのプーチン大統領は日本時間8月16日、6年ぶりの対面での首脳会談を行った。会談前には、米国が国内のエネルギー資源やウクライナのレアアース資源を停戦の見返りにするとの見方が出ていた。実際に話し合われたかは不明であるものの、今後、鉱物資源がウクライナ停戦を左右する一要因になる可能性が浮上してきた。

 

■アラスカLNG、日本企業にも参画打診

 英紙デイリー・テレグラフ(電子版)は会談に先立つ8月13日、「トランプ大統領はプーチン氏に対し、ロシア政府にアラスカの天然資源を活用させ、ロシアの航空宇宙産業に対する制裁の一部を解除する用意がある」と報じた。

 アラスカは19世紀に米国に売却されるまではロシア領で、米露両政府は北極圏の天然資源などの共同開発について話し合ってきた歴史がある。現在は液化天然ガス(LNG)事業が進行中で、三菱商事など日本企業にも参画の打診があった。今後の日米協議でも再び議題に上る可能性がある案件で、米露が協力方向で進展すれば、日本も巻き込まれる恐れがある。

 

■ウクライナのレアアース、停戦のために提供?

 一方のウクライナを巡っては、テレグラフは「ロシアが現在占領するウクライナ東部でのレアアース採掘をロシアに許可する」可能性があるとの見方を伝えた。米国とウクライナは今春、ウクライナのレアアース開発などへの米企業の優先関与などを認める資源協定を結んだばかり。

 

関連記事:米ウクライナ、資源協定を締結 復興基金を共同設立、米財務省が発表 | MIRU

 

 もっとも、ウクライナはレアアースよりもむしろ鉄鉱石やマンガン、チタン、ウランなどの生産国だ。このうち生産量の大きなチタンなどの主要鉱山は占領地域からは外れる。なお、ウクライナは伝統的に、制限枠内でウランなどをロシアへ輸出している。

 

ウクライナの主要鉱山

出所:JOGMEC()

■ウクライナ情勢、鉱物資源が左右か

 今後はウクライナのゼレンスキー大統領や欧州首脳らが会談に参加する意向を示しており、ウクライナ停戦への模索は続く。その過程で鉱物資源が再び交渉の俎上に上がる可能性が出てきた。

 

(IR Universe Kure)

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