米アングロアメリカンとカナダのテック・リソーシズの資源大手2社が合併するとの観測が浮上している。米ブルームバーグ通信が9月8日に伝えた。アングロ側がテックを買収するもようだ。両社はともに業績不振に苦しみ他社からの買収対象になってきたが、統合することで巨大企業となり、買収の矛をはねのけることができるとみられる。
■早ければ週内にも発表か
報道によると、買収は早ければ9月13日までにも発表になる可能性がある。アングロは買収費用を在庫によって支払うことを検討しているとも伝わった。ただ、交渉内容は変更になる可能性もあり、両社が合意に至らなければこの案件は立ち消えになる。
■他社からの買収攻勢にウンザリ アングロはBHP、テックはグレンコアが食指
両社はともに老舗の資源企業だが、近年は中国による金属製品の供給増加やコスト高などで業績が低迷していた。アングロは2024年に豪同業のBHPから敵対的買収を仕掛けられたばかり。テックは2023年にスイス同業のグレンコアから全社買収を提示されていた。テックには新日鉄が出資している。
他社からの買収攻勢に疲弊した両社は、それぞれ非中核事業の買収を進めてスリム化を図っている。アングロはプラチナ採掘から撤退し、オーストラリアの石炭鉱山を売却した。ダイヤモンド事業も売却を計画。ブラジルのニッケル事業も売却を計画中だが、売却先が中国企業であるため難航している。テックは石炭事業についてはグレンコアに大部分を売却した。
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(IR Universe Kure)