株式会社INPEX(以下、INPEX)、大阪ガス株式会社(以下、大阪ガス)、三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)の3社は、9月12日、大阪ガスと三菱重工が「CO₂NNEX®*1(コネックス)」のプラットフォームを用いて取り組む、e-methane(以下、e-メタン)の環境価値*2を証書化するクリーンガス証書の移転や管理を行う都市ガス業界初のシステムを、INPEXと大阪ガスが共同で進める「世界最大級のメタネーションによるCO₂排出削減・有効利用実用化技術開発事業(以下、長岡メタネーション実証)*3」において実装することに合意したと発表した。
長岡メタネーション実証では、水素(以下、H2)と、INPEX長岡鉱場(新潟県長岡市)越路原プラント内で回収したCO₂を用いて、e-メタンを製造し、長岡メタネーション実証で実施予定の地産地消モデルの構築に向けて、INPEXの天然ガスパイプラインへ注入して需要家に供給する予定です。CO₂NNEXを利用し、e-メタンやそれらの原料(H₂・CO₂)の量(以下、属性データ)を可視化するとともに、実証で創出されたクリーンガス証書の移転や利用を管理。また、MRV*4機能を活かし、属性データのモニタリングやグラフ化、クリーンガス証書の利用証明書発行および適正な証書利用の検証等を行い、長岡メタネーション実証におけるCO₂メタネーションシステムの実用化に貢献する。

今後、合成燃料などの液体燃料(SAF、e-fuel)の環境価値を証書化するクリーン燃料証書とあわせて、合成メタンなどの気体燃料(e-メタン、バイオメタン)のクリーンガス証書に関する証書制度の調査・実証事業*5が予定されている。調査・実証事業では証書制度を用いた環境価値の適正管理についても議論が想定されるため、本取り組みにより得られる、システムを活用した属性データや環境価値の適正管理に関する知見を活用いただけるよう取り組みを進めていく。
*1 CO₂NNEX:「CO₂NNEX(コネックス)」は、三菱重工が開発したCO₂流通を可視化・管理するプラットフォームで、今般、プラットフォーム上へのe-メタンの属性データ管理やクリーンガス証書の移転・管理機能の実装を、大阪ガスと三菱重工が共同で取り組んでいるものです。
*2 環境価値:⼤気中に放出されるCO₂(または大気中にあるCO₂)を回収し、e-メタンの原料としてカーボンリサイクルするため、e-メタンを利用しても(燃焼させても)、⼤気中のCO₂は実質的に増えず、CO₂の排出量は実質ゼロとなる。
*3 長岡メタネーション実証:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization、以下、NEDO)から採択された助成事業「気体燃料へのCO₂利用技術開発/大規模なCO₂-メタネーションシステムを用いた導管注入の実用化技術開発」。
「世界最大級のメタネーションによるCO₂排出削減・有効利用実用化技術開発事業における試験設備のプラント本工事着手について ~都市ガスのカーボンニュートラル化の実現に向けて~」
https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2023/1768098_54087.html
発表日:2023年10月24日
*4 MRV:測定、報告および検証(Measurement, Reporting and Verification)。
*5 証書制度の調査・実証事業:経済産業省にて、合成メタンなどの気体燃料も含め、クリーン燃料証書制度の段階的な立ち上げに向けた実証(2026年度)、および実証に向けた証書制度の運営体制構築や規程整備に向けた検討等の準備(2025年度)を実施予定。
2025年6月18日 第14回 メタネーション推進官民協議会 資料3「合成メタン(e-methane)等をめぐる状況について」
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/methanation_suishin/pdf/014_03_00.pdf
(IR universe rr)