Loading...

栄枯盛衰 インドのジンダル 独テイッセンクルップに買収提案

2025/09/19 09:47
文字サイズ
栄枯盛衰 インドのジンダル 独テイッセンクルップに買収提案

インドの複合企業ナビーン・ジンダル・グループの鉄鋼部門「ジンダル・スチール・インターナショナル」は、ドイツの鉄鋼・機械大手ティッセンクルップの鉄鋼部門「ティッセンクルップ・スチール・ヨーロッパ(TKSE)」に対して、拘束力のない買収提案を提出した。提案には、デュイスブルクにあるTKSEのグリーン鉄鋼生産拠点の完成や電炉生産能力の拡大に20億ユーロ以上を投資する計画が含まれている。また、ジンダル・スチールはチェコの鉄鋼メーカーの買収実績もあり、TKSEの年金債務を引き継ぐ用意があるとのことだ。ティッセンクルップは長年、鉄鋼部門の売却を検討しており、この提案について経済的な持続可能性やグリーン移行の継続、雇用の維持などを精査中だ。今回の買収提案発表後、ティッセンクルップの株価は大きく上昇した.

主な特徴
•    ジンダルの提案は拘束力を持たず、財務条件は公表されていない。この入札は、ドイツ・デュイスブルクで建設中の直接還元鉄(DRI)プラントの完成を含め、グリーントランスフォーメーションのために20億ユーロ超の投資を約束している。
•    ジンダルのビジョンは、(TKSE)をヨーロッパ最大の統合型低排出鉄鋼メーカーへと変革し、ドイツ国内の鉄鋼生産を守り、自動車などの川下産業を支援するものだ。
•    提案には、カメルーンからの鉄鉱石供給によるグローバルな「マイン・トゥ・メタル」バリューチェーンの構築や、2027年までにオマーンで水素対応の(DRI)プラントを稼働させる計画が含まれている。

 



重要性と対応
ティッセンクルップの取締役会は、経済的な実行可能性、長期的な持続可能性、グリーンスチールへの転換、ドイツ国内の製鉄拠点における雇用への影響に重点を置き、慎重にオファーを精査すると表明した。この発表を受けてティッセンクルップの株価は急騰し、同社の鉄鋼事業の不確実性が解消される可能性への投資家の楽観的な見方が反映されている。
要約すると、ジンダルによるティッセンクルップ鉄鋼部門への買収提案は、両社にとって重要な節目であり、グリーンスチール、ドイツ産業の安全保障、雇用の安定に対する大きなコミットメントが根幹にある。しかし、結果はまだ決まっておらず、協議が進行中である。

 

(IRuniverse SS)

 


 

関連記事

新着記事

ランキング