9月26日9時半に財務省が発表した25年8月の貿易統計から、スポンジチタン(同スクラップ含む)の輸入状況を見てみた。この統計ではスポンジチタンメーカーが存在する国を中心にしている。単純にスクラップを含むスポンジチタン全体として見るのであれば関連記事「チタンスクラップ輸出入統計分析」を参照。
8月のスポンジチタン輸入量は前年同月比34.7%減(3ヵ月ぶり)の410トンとなった。米国や英国からの輸入には航空機関連のスクラップなどが含まれる。航空機業界の回復によりスクラップの発生量が増加しているが、自国でリサイクルしているため両国からの輸入量に波がある。また、チタン展伸材用途向けにロシア・カザフ・ウクライナ(旧CIS)から輸入している。中国はチタン展伸材用もあるが、品質の悪いものは鉄鋼添加材用または脱酸用(コークスの代替品)として高炉各社が使用するために輸入されている。
図表1、国別スポンジチタン輸入量の推移(トン)
出所:貿易統計よりIRU作成
図表2、米英からのスポンジチタン輸入量の推移(トン)
出所:貿易統計よりIRU作成
図表3、旧CIS(ロシア・カザフ・ウクライナ)からのスポンジチタン輸入量の推移(トン)
出所:貿易統計よりIRU作成
図表4、中国他からのスポンジチタン輸入量の推移(トン)
出所: 貿易統計よりIRU作成
一方、輸入価格の状況についてみてる。航空機部材製造時のスクラップは、高品質であるためか米国からの輸入価格が総じて高いのがわかる。英国も同様である。カザフのUKTMP社は旧ソ連崩壊時には最も新しい生産設備を有していた。民営化以降もしばらく輸入があったが、このところわが国への輸入量がゼロであるが、米国がロシア品の輸入を禁止したことで、航空機の機体向けに欧米に輸出が再開されている。生産効率が最も悪い中国のスポンジチタン価格が一時高値で推移していたが、このところ従来価格並みで推移している(図表6参照)。
図表5、米英からのスポンジチタン輸入価格推移(ドル/キログラム)
注意:英国は数量が極端に少なく異常値を省略
出所:貿易統計よりIRU作成
図表6、旧CISなどからのスポンジチタン輸入価格推移(ドル/キログラム)
出所:貿易統計よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)