2025年9月のコバルト市況は急伸している。生産国であるコンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)が9月21日、「2月から停止していたコバルトの輸出を、10月16日から再開する」と発表した。しかし輸出に際し割当制が導入された上、認可の規模が想定よりも小さいと受け止められた。供給減に伴う価格上昇が続くとの観測が強まっている。
ロイター通信などの外電が9月22日までに伝えた割り当て内容によると、コンゴのコバルト採掘企業は2025年内に最大1万8125トンのコバルトを出荷できる。2026年と2027年の出荷上限は年間9万6600トンになる。
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Project Blue プリンシパルアナリストのYing Lu(イン・ルー)氏は9月25日にIRUNIVERSEが開催した「第12回バッテリーサミット」で、この割り当て量について「予想よりも規模が小さかった」と指摘した。このため、市場では「コンゴ政府の輸出に対する慎重姿勢が意識され、先行きの供給が限定的との見方から先高観が強まった」と話した。
■LGは17ドル回復目指す
過去3か月間のLGコバルト (Co99.3%)($/LB)価格の推移
ベンチマークとなるLGコバルトは9月25日に仲値$16.825/LBを付けた。9月11日に節目の$16を回復。毎週のように上昇していたが、コンゴの発表で上げの勢いが強まった。Project Blueのルー氏は「LGコバルトは中期に$20を目指し上昇を続ける」と予想した。
■LMEが1日で4%、硫酸コバルトは11%上昇
過去3か月間のLMEコバルト価格の推移($/ton)
国際価格のLMEコバルトも急伸した。コンゴの発表を巡る観測が出た9月19日に高値$3万4125/tonと、前日比3.7%も跳ね上がった。9月26日は$34.570と上昇基調を続けている。
過去3か月間の硫酸コバルト価格の推移(20.5%min China)(RMB/Mt)
電池向けの硫酸コバルトも反応が大きかった。9月25日に仲値RMB6万2000/Mtと節目のRMB6万を上回り、前日までから10.7%も上げた。電池向け需要への期待が根強い中、供給がひっ迫するとの観測が価格を押し上げた。
過去3か月間のHGコバルト (Co99.8%)($/LB) 価格の推移
航空機向けなどのハイグレード品であるHGコバルトも同調した。9月25日仲値は$19.625/LBだった。8月まで節目の$19を挟み行ったり来たりが続いていたが、$19台で安定した。
■Topics
9月29日
オランダの中央統計局(Centraal Bureau voor de Statistiek、CBS)は9月29日、ホームページ上で 、「同国が輸入する重要鉱物のうち8種は中国が最大の輸入元になっている」と発表した。8種は重晶石、ビスマス、コバルト、マグネシウム、マンガン、ストロンチウム、タンタル、蛍石。
(出所:CBS発表資料)
プレスリリース:China voor 8 kritieke materialen grootste leverancier | CBS
9月9日
豊田通商は9月9日、韓国LGグループのLG化学と中国の華友コバルト業の合弁会社について、発行済み株式のうち25%を取得すると発表した。
関連記事:豊田通商、LG Chemと華友コバルトに出資 LIBサプライチェーン構築で
9月1日
ドイツ化学大手のBASF(本社:独ルートヴィッヒスハーフェン)は9月1日、中国固体電池開発のウェリオン・ニューエナジー・テクノロジー(本社:中国北京市)に向け、半固体電池向けの正極材(CAM)の大量生産分 の初回ロットを納入したと発表した。
プレスリリース: BASF、ウェリオンに半固体電池向け正極材を初納入
8月26日
ドイツとカナダの両政府は8月26日、リチウムや希土類、コバルトなど戦略的鉱物資源の供給安定に向けた協力を強化する共同声明に署名した。
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8月14-15日
中国金属プロバイダーの上海有色網(SMM)は8月14-15日、浙江省寧波市で「GBRC 2025 SMMバッテリーリサイクル・循環産業大会」を開催した。
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(IR Universe Kure)