炭酸ストロンチウムは今年前半までは中国の大手ストロンチウムメーカーの破産申請と欧州カンデリウム社のメキシコ工場の事故で供給減がはやされ大幅に上昇。4月~5月にはトン当たり2500ドル近くまで上昇した。
このときにイランVSイスラエルの紛争もあり、イランからセレスタイト(ストロンチウム鉱石)が出なくなるのでは?という憶測も相場を押し上げた。
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しかし6月中旬以降は炭酸ストロンチウム自体の実需が減少している(特に中国で)ことで下落傾向に。
イランからのセレスタイト供給も止まることはなく中国に出荷されていることもあり、相場は坂道を下っていく。
足元、10月上旬の炭酸ストロンチウム相場は1,300~1,600ドル、中国品はさらに安く1,200~1,500ドルで推移している。
中国の炭酸ストロンチウムトレーダーは
「中国国内ではストロンチウムの最終需要であるフェライト磁石やディスプレイガラス向け(テレビ、モニター)が低調に甘んじており、ストロンチウムの需給はやや余剰感がある」とのことで中国国内では先安感あり。
また、中国の紅星集団と日本の蝶理との合弁会社である紅蝶が10月半ばに重慶で新規工場での生産が開始される。
これで炭酸ストロンチウムは世界最大の年産6万トン体制となる。
今の実需が弱いなかではこの新規供給がはじまると、なおストロンチウム相場は弱くなる可能性がある。
ストロンチウムメーカーは世界的にみても5~6社程度であるため、ひとつの工場の稼働、停止が市況に影響を与えやすい。
日本の炭酸ストロンチウム需要も減少気味。
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日本の炭酸ストロンチウム輸入量は25年1-7月累計で3201トン(前年同期比13.4%減)となっている。

炭酸ストロンチウムの契約は欧州は1年契約型が多いが、中国は市況連動型でSPOT契約が多い。
一方、炭酸バリウム市況は動き少なく安定。セラミックグレードでトン当たり600~700ドル、MLCC向け(チタン酸バリウム向け)は6000~8000ドルとこちらも高値安定。MLCC向けの需要は再び回復傾向にあるという。
実際、日本の炭酸バリウム輸入量も増加している。
2025年1-7月の累計輸入量は7,617トン、前年比31.0%増加。MLCC向けとしての原料ニーズが増加した結果。
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(炭酸バリウム相場(セラミックグレード)の推移 $/ton)1年間、ほぼ変わらず・・・

(IRUNIVERSE YT)