国内ステンレススクラップ市場は需給均衡。発生も少なければ需要も弱い、という状態が続いている。
304系スクラップの市中実勢はキロ当たり182~186円、メーカー買値で190円どころ。先月末に韓国POSCO社は
韓国国内の単価を引き上げたが、日本国内では「上げても3円どまりではないか?」と小幅な上げにとどまりそうだ。
⇒ 韓国POSCO 11月度SUSscrap購入価格は304で35ウォン上げ、316は40ウォン上げ
指標のLMEニッケル相場は足元若干値下がりし15,000ドルを割り込んでいるが、為替は円安傾向が続いており、155円前後で推移している。
(最近のLMEニッケル相場と為替円ドルTTS相場の推移)

304系スクラップ相場はメーカー買値で190円が高値、316系は350~360円が中心。一部はこれ以上の高値もあるが限られる。アジアのSABOT相場は1250ドル前後。市中でのモーメントは「上げ指向」だが、大手ディーラーとしては「185円以上は出せない、183円が限度か」(関西地区ディーラー)という。シッパー大手の親和スチール社も185円前後が中心。
同社幹部筋によると
「はっきり言いましてポスコも大減産しており、我々の枠も減らされている状況なので買値を率先して上げることはないですね。モノがない、少ないと言ってるのは日本だけじゃないでしょうか?どこもかしこも減産なので、世界的に304スクラップは余ってくるのではないでしょうか?」と不穏な予想を語る。
他の中国向け、インド向けでも特段高い値段は出ておらず、マーケットは落ち着いている状況。北関東の専業ディーラーも304系新断186円(持ち込みベース)にとどまっている。
これは国内のステンレス特殊鋼メーカーは減産で必要以上に欲しくない。日鉄系のJSPもスクラップ購入枠を1割~2割のカットを続けている。もっとも、カットしてもそれを超えるだけの量が集まらない現状ではあるが。。
(国内304系スクラップ相場と316系スクラップ相場の推移)

304系スクラップに関しては、ちょうど鉄スクラップと似た市況感で、製品の実需は弱く(特に電炉メーカーは減産が続いている)、スクラップの需要も弱いが、為替の円安、輸出向けによって相場が支えられている。逆にいえば、輸出が止まればたちまち余る可能性もある。この1~2年続いている発生薄で余剰感は出ないと、今は考えられるが、市況は刻一刻と変化しているため、例えばステンレスメーカーがより一層減産を強めていき、輸出も不振で出口無し、となれば下げ圧は高まる。過去にそういった状況は何度もあった。売れる間に売っておくことがまさか(魔坂)の時の備え。。
400系(Cr系)スクラップは港で63~65円(ミックス)。インド向けに出荷しているシッパーは「クロム系やシュレッダーのZURIKはインド向けでも売れるが、304系は売ったことがない」とのこと。
ちなみにそのインドで月間3000トンのステンレススクラップを輸入しているトレーダーは400系でトン当たり500~530ドル、304系では1250~1280ドルで購入している様子。
(国内430系スクラップ相場と高炭素フェロクロム相場の推移)

(IRUNIVERSE YT)