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AIデータ・センター向け光通信用高速伝送コネクタ増額で26/3期5.3%増収13.1%営業利益増に増額修正し営利最高益予想

2025/11/10 03:34
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AIデータ・センター向け光通信用高速伝送コネクタ増額で26/3期5.3%増収13.1%営業利益増に増額修正し営利最高益予想

6941山一電機 26/3Q2WEB説明会メモ  AIデータセンタ向け増額でポジティブ継続

 

26/3期は光通信用コネクタがデータセンタ向け増額で5.3%増収13.1%営利増に増額修正

 

株価5270円(11/7) 時価総額1150億円 発行済株21,829千株

PER(26/3期DO予12.0X)PBR(2.34X) 配当(26/3DO予)132円 配当利回り:2.5%

 

要約

26/3Q2半導体向け回復遅れも光通信向けコネクタ伸長し3.0%減収2.1%営利減と上振れ

26/3Q2決算が11/5に発表され、同日WEB説明会が実施された。26/3Q2は売上高120.88億円(8/5修正予想比13.89億円上振れ、同期比3.0%減)、営業利益25.98億円(同3.68億円上振れ、同2.1%減)、経常利益27.15億円(同7.43億円上振れ、同62.1%増)と上振れて着地した。

 

事業別にテストソリューション事業(TS)は売上高58.40億円(8/5予想比7.71億円増額、同19.9%減)、営利13.22億円(同1.81億円未達、同41.9%減)となった。全体の5割前後を占めるとみられるテスト用ソケットはクアルコム向けが好調に推移。一方でバーンインソケットはロジック向けでは車載用ADAS向けが低調、メモリ向けもDRAM向けがHBM優先でDDRの生産が抑制され低迷、NANDフラッシュ向けは低迷を続けた。利益面ではMIX悪化に加え、同期比6円の円高も影響し、営業利益率が9.7ポイント悪化し22.6%となり、大幅営利減少となった。

 

 コネクタソリューション事業(CS)は売上高58.38億円(8/5予想比6.5億円増額、同期比20.4%増)、営利11.0億円(同4.69億円上振れ、同期比3.0倍)に。テレコム向けがAIデータセンタ向けの好調に加え、同社が強みを持つ基幹系が計画比上振れし、CS事業の上振れ要因に。なお通信向けの中でAIデータセンタ向けが50%を占めるまでに構成比が上がっているとのこと。またFA関連はシーメンスを中心にCNC装置向けやPLC向けなどが漸く在庫調整が一巡、一方、車載向けはテスラの不振などで低調に推移した。利益面では高採算の基幹系の伸び加え、AIのデータセンタ向けが順調に拡大し、営業利益率が11.4ポイントアップし18.8%となったことで大幅営業増益に。CS事業は上期として過去最高収益更新となっている。

 

全体を通じCS部門が高採算の基幹系通信向けで上振れ、一方でTS部門がバーンインテストの伸び悩みがあり8/5修正予想並に推移する見通しになった。利益面では高採算の基幹系の上振れ寄与が大きかった。

 

26/3期通信向け光通信コネクタ増額で5.3%増収13.1%営利増に増額修正も再増額期待

26/3期予想は高採算の通信向けコネクタの好調を受け、期初計画を売上で多少増額、利益では2ケタ増益予想に修正した。26/3期修正予想は売上高474億円(期初計画比3億円増額、5.3%増)、営利93億円(同8億円増額、13.1%増)、経常利益91億円(同12億円増額、18.3%増)、税引利益64億円(同9億円増額、22.1%増)と、売上高、営業利益で過去最高更新予想とした。

 

 

事業別にTS事業は売上高234億円(期初計画比17億円減額、8/5修正予想比変更なし、前期比6.8%減)、営利59.40億円(同11.7億円減額、同変更無し、16.5%減)予想。TS事業は上期にバーンインソケットがメモリのDRAM向けが伸び悩み、ロジックで車載向けは在庫調整が完了したものの力強さにかける。テストソケットも今年度は新機能があまり付加されない見通しで多少減少すると見ている。利益面では減収影響から2ケタ営利減予想に。但し、昨今のAIデータセンタの設備増強などでHBMだけでなく、DDRなどで需要増加の兆しもでており、為替前提に対し円安推移しており、8/5予想を上回る収益が期待される。

コネクタ事業は通信向けが牽引する。CS事業は売上高228億円(期初計画比31億円増額、8/5修正予想比3億円増額、20.3%増)、営利32億円(同17億円増額、同8億円増額、2.6倍)予想とした。ここに来てデータセンタ向けSFP(Small Form-factor Pluggable)が拡大、基幹系CFPが計画を上振れしているが、データセンタ向けの伸びが高く、同分野向けが半分以上を占めるまでになった。しかも従来のサーバー向けに加え、より高速伝送を必要とするAIサーバー向け需要が急拡大している。同社はCFPでCFP8などを投入、CFPでは800Gbpsイーサネット対応コネクタ800Gbps  (112Gbps/ch x 8ch)を24年2月から投入している。また26/3期は既存ユーザーに加え、汎用サーバーを手掛ける新規需要にも対応が増加している。現在、AIデータセンタは学習向けに加え推論向けも投資拡大も加わり、会社計画の上振れが続いている。なおFA関連も在庫調整が進展し緩やかな拡大、一方で車載関連はテスラなど新モデル投入も苦戦が続いている。全体としてCS事業は通信向けがさらに上振れが続き、MIX良化で利益率が一段と向上、再度上振れが期待される。

全体として下期での収益の上振れが期待され、売上高、営業利益だけでなく経常利益でも23/3期実績を上回り、最高収益更新が期待される。

 

27/3期はCSが通信向け伸長継続、半導体向けもAI半導体向け本格拡大で収益上伸期待

 同社は重点施策として、TSを成長エンジンとして更に強い事業への深化、CS事業は強みを活かして第2の柱として強化を図る。特にCS事業ではAIデータセンタ向け高速通信コネクタの製品開発強化を打ち出している。

 27/3期はTS事業でバーンインではDDR-4からDDR-5への世帯交代が本格化、サーバーでも高性能CPUがDDR5をサポートし、本格普及とともに需要が急拡大しよう。LPDDR-6もAIノートPC、AIスマホなどで本格搭載採用が見込まれる。またクアルコムの次世代SoC「Snapdragon8 Eite G2」はLPDDR6に対応し、高速・省電力のメモリ環境で全体のパフォーマンスが20%近く向上するとのこと。回復が遅れていたフラッシュメモリ向けも、推論型AIデータセンタの普及でSSDの多用が期待される。これは推論型ではAIデータストレージが超高性能(低レイテンシ、高IOPS、スループット)を要求され、巨大なデータへの迅速なアクセス、効率的な処理が必要で、大容量高速SSDが必要不可欠となる。27/3期にはSSD向けのバーンインテストも急回復しよう。ロジック向けは中心となる車載向けで、クアルコムの車載向けSoCのシェア拡大、新機能搭載などで同社の車載ロジック向けバーンインテスト需要が本格回復しよう。クアルコムは次世代車両に必要な「常時接続性」「OTA(空中ダウンロード)更新」「V2X(車と外界の通信)」を強力にサポート、SoCだけでなく、デジタルコクピット、ADAS、車載通信を一貫してサポート(例:Snapdragon Rideプラットフォーム)などの拡大が期待される。テストソケットも次世代スマホ向けで主力のクアルコムの拡大、アップル向けの伸びも期待される。

 CS事業では通信向け、とりわけデータセンタ向けの伸長が本格化しよう。25/3期のCS事業における通信向け売上は46億円弱、26/3期はメラノックス(NVIDIAの一部門である「NVIDIA Mellanox」のブランド名)向けなどで高性能ネットワーク製品(イーサネットスイッチ、NIC、ケーブルなど)向けに需要が伸長しているとみられ、今回の増額修正で通信向けは約倍増するとみられる。

 

データセンタ内部に注目すると、IPトラフィック(一定時間内にネットワーク上で転送されるデータ量)の飛躍的な増大の要請から、ここ数年間でサーバーラックの上部まで光配線技術が導入され、電気配線から光配線へと一気に置き換わった。今後は、メガデータセンターの消費電力の問題からデータセンタ内の通信に係わる電力を削減するため、消費電力的に優れる光通信の範囲がさらに拡大し、ラック間、ラック内といった短距離のデータ転送にも光通信技術の導入が加速している。ハイパースケールデータセンタ内部では超高速伝送が主流になっている。伝送距離はたかだか100 m〜2 kmであるが、ハイパースケールデータセンタではIPトラフィックの70%を扱い、そのトラフィック量が年率50%(従来のデータセンタは年率25%の伸び)で増加している。そのため800 Gbit/s(100 Gbit/s×8チャンネル)が標準適用となり、今後のIPトラフィック量の増大要求に対し、1.6 Tbit/sが実用開始、さらに3.2 Tbit/s、6.4 Tbit/sを目指した研究開発が現在進行中である。同社は2024年12月に1.6Tbps Ethernetにも対応する光通信モジュール用インターフェースコネクタOSFP「CN176」・OSFP-XD「CN214」を投入(PAM4 224G/レーン、合計1.6T)している。OSFP-XDは92ΩマッチングでPCIe/Ethernet両規格準拠をうたうなど、AIサーバー近傍I/Oも意識した製品となっている。この製品は広帯域や低遅延性能が求められるハイパースケールデータセンタ等での接続用途に使用される見通し。また高発熱モジュールへの対応としてOSFPは30Wモジュール対応、OSFP-XDは40W対応を明示し差別化している(他社では15W~18Wなどにとどまる)。さらにデータセンタにおける高速化、高密度化のボトルネックになっていたASICと光トランシーバI/Oの距離を解決するために、業界初の垂直型OSFP(VLC)をNubisも発表した。配線距離短縮×冷却効率向上で高密度化・低消費電力に寄与する提案型の強みも持つ。

 全体を通じ、27/3期はTS、CSともに収益上伸が見込まれ、連続最高益更新で収益上伸が期待される。

 同社株価は8/5にデータ通信向け光トランシーバ用コネクタが増額修正されたこと、半導体向けは減額もハイエンド向けが拡大していることから株価が上昇、8/6には昨年8/19以来の3000円大台乗せとなり、その後も上昇を続けた。さらに11/5の26/3期増額修正、大幅増配発表で上伸、11/7は5290円の高値更新となっている。現在、26/3期会社修正予想EPS347.44円に対し、PER15.2倍はプライム電機平均22.6倍に対し割安、また類似事業を行うヨコオPER30.3倍、エンプラス18.3倍、日本マイクロニクス35.2倍と比較して割安感がある。今後、下期に再増額修正が期待されること、さらに先端半導体、AIデータセンタ関連銘柄として評価が高まるとみられ、ポジティブ継続とする。

(*図表については決算説明会資料、ニュースリリース、写真はHPなどから添付、チャートはヤフーから添付)

 

 

 

 *エンプラス(6961)、ヨコオ(6800)、日本マイクロニクス6871)との比較

 

 

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