予想レンジ
LMEセツル 10500-11000ドル →
建値 1610-1745円 →
為替 150~155円 (1か月間TTM) →
■国際概況
主要鉱山の操業遅延や在庫減少による供給逼迫感、ドル安基調を背景に投機資金が流入し上昇した。一方で、急騰後の高値警戒感や中国の実需鈍化、米中関係の不透明感が下落要因となった。実需の裏付けに乏しい投機的上昇との見方もあり、供給タイト感とマクロ不安の綱引きが続く展開となった。
月末日10949ドルで終えた
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS¥^―
149.17 → 155.51(円)

【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると9月の自動車生産台数は前年比-0.2%の72万4397台
輸出は前年同月比-1.4%の34万3452台
| 7月 | 8月 | 9月 |
| 生産台数 | 70万5101台 | 51万7699台 | 72万4397台 |
| 前年比 | -7.8% | +0.9% | -0.2% |
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると10月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-4.3%
の24万7883台
| 8月 | 9月 | 10月 | |
| 販売台数 | 18万6594台 | 26万5391台 | 24万7883台 |
| 前年比 | -10.6% | -3.3% | -4.3% |
自動車生産台数

自動車販売台数推移

【住宅着工戸数】
9月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため, 全体で前年同月比7.3%の減少となった。また,季節調整済年率 換算値では前月比2.4%の増加となった。
【伸銅品生産】
2025年9月の伸銅品生産動向速報値を公表した。9月伸銅品生産量速報値は5万7,000トン、前年同月比7.2%増加した。4か月連続のプラスとなった。

【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
出荷量:51300トン(銅量ベース)
前年同月比:-4.2%
2カ月連続マイナス

◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 -7.2% 6万2910t
スクラップ +76.2% 3万6137t
| 輸出 | 7月 | 8月 | 9月 |
| 電気銅 | 5万3510t | 6万4300t | 6万2910t |
| 前年比 | -9.9% | -7.3% | -7.2% |
| スクラップ | 4万254t | 3万6816t | 3万6137t |
| 前年比 | -51.3% | +80.7% | ∔76.2% |

輸出推移
【輸入】
電気銅 -19% 239t
スクラップ +36.7% 3万1719t
| 輸入 | 7月 | 8月 | 9月 |
| 電気銅 | 487t | 217t | 239t |
| 前年比 | +50.8% | +130.9% | -19% |
| スクラップ | 3万1369t | 2万8504t | 3万1719t |
| 前年比 | +26.2% | +41.7% | +36.7% |
輸入推移

■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると9月の自動車生産台数は前年比-0.2%の72万4397台
輸出は前年同月比-1.4%の34万3452台となり、国内外ともに減産傾向が続いた。
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会の発表によれば、10月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-4.3%の24万7883台需要回復の遅れが鮮明となった。
【住宅着工】
9月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため, 全体で前年同月比7.3%の減少となった。また,季節調整済年率 換算値では前月比2.4%の増加となった。
【伸銅品生産】
9月の伸銅品生産量は5万7,000トンで前年同月比7.2%増、4か月連続のプラス。14品目中10品目が増加した。自動車向け需要が回復し、北米向け輸出もトランプ関税の影響を受けず堅調。半導体関連はAIデータセンターやスマホ向けが好調で、中国向け家電需要も回復傾向。エアコンは買換え需要が堅調だが、建設関連の遅れで大型機の回復が遅れている。全体として需要回復基調が続く見通し。
【電線】
9月の電線出荷量(銅ベース)は5万1,300トンで前年同月比-4.2%。2カ月連続マイナスに転じた。
【輸出入動向】
【輸出】
電気銅 -7.2% 6万2910t
スクラップ +76.2% 3万6137t
【輸入】
電気銅 -19% 239t
スクラップ +36.7% 3万1719t
電気銅が輸出入ともに減少した一方、スクラップは大幅に増加。
特に輸出のスクラップは前年比+76.2%と大きく伸びた。
[見通し】
【自動車】
販売:前年同月比 ―2%~0%、月次では小幅プラスの可能性あり。
生産:前年同月比 0%~+3%、月次では +4%~+8% 程度。
全体としては、需要側の抑制要因があるものの、季節性や期末商戦による反発・生産回復の動きが重なり、「マイナス幅縮小、もしくは横ばい」域での安定化を想定。
【伸銅品生産】
下期入りに伴い、自動車・半導体関連向けを中心に需要が本格回復すると見られる。
生産量は5万8,000トン前後を想定。
上期の緩やかな回復基調から一段高い水準へ移行する見込み。
【電線】
出荷量:51300トン(銅量ベース)
前年同月比:-4.2%
2カ月連続マイナス
2025年11月の電線生産(銅ベース)は、依然として前年割れが続く見込み。
住宅・建設需要の回復が遅れており、電販・民需向けが重石となる一方、電力向けや輸出分で下支え。
10月を底に、年末工事需要の動きから12月以降にかけて下げ止まり・横ばい推移が期待される。
【スクラップ景況予想】
2025年11月の国内銅スクラップ需給は、供給制約が残る中で需要堅調のため「ややタイト(引き締まり)基調」
【LME・為替予想】
LME予想
11月のLME銅価格は1トン=10,500~11,000ドルを想定。中国のインフラ・再エネ投資拡大に加え、米国の利下げ観測によるドル安が追い風となり、投機資金も流入。南米鉱山の供給不安や在庫低水準が続くことで、需給逼迫が意識され上昇基調を維持する見通し
●為替予想 150円~155円
FRBの利下げペースが鈍化し、米金利が高止まりする一方、日銀の緩和姿勢は継続。金利差が依然として大きく、円売り・ドル買いが優勢となる見通し。加えて原油高による貿易収支悪化や国内資金の海外流出も円安圧力に。投資資金の流入が続けば一時155円台を試す展開もあり得る。
銅建値に関しては1610-1745円程度と予測。