三井金属は11日、台湾、マレーシア両工場での高周波基板用銅箔の生産体制を増強すると発表した。8月に月産840ン万トンの増産計画を発表したばかりだが、伝送損失低減効果が評価され需要拡大が見込まれるため、増産ペースを加速する。追加投資額は60億円で、8月の発表分と合わせ、28年9月までに月産規模を、現在のおよそ2倍の1,200トンに引き上げる。
発表によると、追加投資を実施するのは台湾工場(台湾銅箔股份有限公司)、マレーシア工場(Mitsui Copper Foil (Malaysia) SDN. BHD.)。段階的な増強を予定しており、まず2027年9月までに月産1,000トン体制を確立、その上で、2028年9月までに同1,200トン体制への移行を目指すという。増産対象は高周波基板用電解銅箔「VSPTM」になる。

同製品は、高周波数帯のプリント基板の伝送損失の低減に寄与することから、サーバー、ルーター、スイッチなどの高性能通信インフラ機器に採用されており、今後も需要増が見込めるという。

(IRuniverse G・Mochizuki)