11月17日13時半、経済産業省は25年9月分の生産動態統計を発表。化学工業月報からカーボンブラック(CB)の価格動向をみてみた。CBは東海カーボンの人造黒鉛電極と並ぶもう一つの主力事業である。CBは自動車用タイヤなどの補強材として使われており、タイヤの色が黒いのはそのためである。CBの需要動向は、国内のタイヤ生産数量に大きく左右される(図表1参照)。これは、CBは地産地消(価格が安いため輸出コストが合わない)のため。なお、同社のCBはアジア最大の生産数量を誇り、生産拠点は日本以外にタイと米国、中国にある。CBの原料は電極同様に石炭系と石油系になるが、カナダにある同社連結子会社のカンカーブ社は、天然ガスを原料に特殊(高付加価値)なCBを生産しており、用途が異なるため、本文とは無関係。
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9月のCB販売数量は前年同月比2.8%増と、3ヵ月ぶりに増加した。前月比では26.7%増(2ヵ月ぶり)となった。CBの販売数量は、自動車用タイヤの生産量との伸び率(前年同月比)の状況を見れば連動性が非常に高いことがわかる(図表2参照)。なお、CBは輸入品の影響を影響をほとんど受けない(単価が安いため、輸送コストが割高となるため)。
図表1、CB販売数量と前年同月比の伸び率推移(トン、%)
出所:経済産業省生産動態統計よりIRU作成
図表2、カーボンブラック販売数量と自動車用タイヤ生産量の前年同月比の伸び率推移(%)
注意:伸び率は前年同月比
出所:日本自動車タイヤ協会及び経済産業省生産動態統計よりIRU作成
CB平均価格は、同8.6%下落(3ヵ月連続)。先月比2.5%下落(4ヵ月連続)。CB価格の基準になるのは原料となる石油系や石炭系の価格を基準に決める価格フォーミュラ制を導入している。このため、自動車生産台数やタイヤ生産量の影響を受けることがないが、原料価格が急変した場合は、数ヵ月程度遅延することがある。同じ炭素製品であっても、相対で決める人造黒鉛電極と価格フォーミュラで決まるCBの価格変動の違いとなっている。
図表3、カーボンブラック価格とWTI価格(23年1月=100)
出所:経済産業省生産動態統計よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)