11月26日に開催した品川リフラの決算説明会の続き。説明に使われた資料はこちら。説明は引き続き藤原社長が行った。

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<第6次中期経営計画最終年度に向けた課題>

〇経営課題
●M&A・JVによる成長戦略の継続(同20ページ)
同当社は、第5次中期経営計画を起点に、積極的なM&Aを実行し、グローバル展開を加速してきた。具体的には、22年にブラジルのSRB社と米国のSSCA社を買収して、南米及び北米での事業基盤を拡大し、さらに、第6次中期経営計画期間には、24年にオランダのGouda社を傘下に収め、欧州でのプレゼンスを強化した。そして、今年、ブラジルのReframax社を買収し、南米での事業をさらに拡大した。
こうした取り組みの結果、海外売上高比率は23年度に30%に到達し、そして本年度は43%に達する見込み。
今後も、戦略的なM&AやJVを通じて、グローバル市場での成長を加速していく。
●セクター戦略の深化によるオーガニック成長(同21ページ)
セクター戦略の進化による既存事業のオーガニックな成長について、各セクターの事業環境とその展望を踏まえつつ、諸課題と具体的な取り組みを、ポイントをかなり絞った形で説明する。
・断熱材セクター
国内の事業環境は、粗鋼生産量が予想以上のスピードで減少し、耐火物需要に大きく影響を及ぼしている。一方、海外においては、中国の鋼材輸出の増加によりブラジル鉄鋼業界で競争が激化し、現地子会社の収益が悪化している。
こうした状況に対応するため、耐火物セクターでは次のような施策を進めている。
まず、国内では、技術ソリューションの提供や、施工から使用後リサイクルまでの循環型サービスを駆使して、まだ十分に浸透できてない例えば非鉄工業炉分野等での拡販を推進していく。
一方、海外では、グループのグローバルネットワークをフル活用し、特にブラジル子会社の競争力向上を図る。
さらに、中国市場では連続鋳造用ノズル工場の立ち上げを進めており、26年4月から新工場が稼働予定。既存のモールドパウダー事業とも連携しつつ、中国市場での販売かつ拡大を目指していく。
・断熱材セクター(同22ページ)
国内では、半導体製造装置関連製品の需要回復が予想に反して遅れており、また、リチウムイオンバッテリーの正極材製造炉でも新規案件の進捗が停滞するなど、成長分野需要が鈍化しているのが現状。
海外では、EU、中国市場の低迷で販売が減少し、さらに中国製品のASEAN諸国への輸出が増加して、同地域の競争環境が激しさを増している。
こうした状況に対応するため、断熱材セクターでは次のような施策を進めていく。
まず、国内では、新たな成長分野の開拓。建築関連の防火剤やジョイント材の拡販、リチウムイオンバッテリーの正極材製造炉の補修需要への対応、さらに、リチウムイオンバッテリー用のセッターの軽量断熱化にも注力して、事業の拡大を図っていく。また、海外展開では、海外グループ会社間のネットワークを強化し、石油化学や非鉄分野へのグローバルな供給体制の確立に努めている。
・先端機材セクター(同23ページ)
先端機材セクターのコア製品であるファインセラミックス製品の主要市場は、半導体製造装置分野。この分野は、中長期的には需要の増加が見込まれるが、足元では、半導体関連投資の一部減速を受けて、需要の増加が後ろ倒しになっている。また、液晶関連やセラミックポンプ関連においても、短期的には厳しい事業環境が続いている。
一方で、耐摩耗セラミックス関連や未開拓分野への参入を視野に入れると、当セクターの成長余力は非常に大きく、供給体制の強化と新事業への展開が極めて重要になる。
こうした状況に対応するため、先端機材セクターでは次のような施策を進めている。まず、半導体製造装置分野では、同分野向け関連製品のシェア拡大とアッセンブリー検査業務などの関連事業の領域拡大に注力。さらに、エネルギー分野や航空分野など新たな成長分野へのファインセラミックス製品の販売を強化する。
次に、新工場の計画の立ち上げです。精密加工、精密検査工程を担う新工場を26年2月の稼働予定で建設を進めている。この新工場の立ち上げにより、生産能力を大幅に増強し、半導体製造装置、エネルギー及び航空分野など成長分野向けの供給体制を確立し、競争力の強化と成長分野への対応を加速していく。
・エンジニアリングセクター(同24ページ)
国内では、先ほど来説明している通り、鉄鋼需要の低下に伴い工事案件が減少。さらに、労働時間規制や少子化による建設業の人手不足といった構造的な問題もある。一方で、カーボンニュートラルに向けたサステナビリティ関連投資は拡大しており、新たな需要の可能性も見えている。
こうした状況に対応するため、エンジニアリングセクターでは次の施策を進めている。
まず、セクター間の連携と事業のグローバル化による持続的成長。耐火物セクターとの協業を強化し、材料と施工を一体で提供する体制を構築し、競争率を高めていく。
また、サステナビリティ貢献にもつながるユーザーの新プロセス開発に向けた最適なソリューションの提案や耐火物リサイクル事業の拡大を進めていく。さらに、労働力不足への対応として、自動化、機械化の推進、点検診断技術の効率化はもちろんのこと、それに加えて、海外グループ会社の活用による国内労働力の多様化を図っていく。
〇第6次中期経営計画の進捗状況(同25ページ)
今年度の業績見通しで説明した通り、25年度の売上高は1,760億円、EBITDAは230億円となる見通し。
この結果、第6次中期経営計画の最終年度となる26年の目標売上高1,800億円、EBITDA250億円の達成が十分査定に入ってきた。引き続き、M&A、JVによる成長と、セクター戦略の実行を通じた既存事業のオーガニックな成長を両輪に、持続的な成長を目指していく。
〇経営課題:両輪の成長を支える資本戦略(同26ページ)
成長戦略の両輪であるM&A、JVによる成長と既存事業のオーガニックな成長を支える資本戦略について説明する。
22年度以降、積極的にM&Aを実行した結果、足元で有利子負債残高が増加している。これは、グローバル展開を加速するために投資をしてきた結果であって、同社の成長に不可欠な取り組み。
一方で、今後、第7次中期経営計画期間においても、事業投資や設備投資などの成長投資をタイムリーに実行する必要もある。そのため、機動的な資金調達が可能となるように、財務の健全性を維持することが極めて重要だと認識している。
こうした背景から、25年度は資産売却を実施し、有利子負債を削減する計画。これにより、財務体質を強化しつつ、成長投資の資金を確保していく。さらに、D/Eレシオなどの財務指標を適切に管理し、資金調達努力を拡大していく。
この資本戦略により、財務基盤の強化と成長投資の両立を図り、持続的な企業価値の向上を目指していく。
<利益還元>(同27ページ)
同社は、本中期経営計画において、配当方針として配当性向40%を目標に掲げた。一方、同社グループは、持続的な成長を成し遂げるため、M&Aなどの成長投資にキャッシュフローを優先的に振り向ける方針としている。
また、仮に配当性向を40%に固定した場合、これまでやってきたように、そのM&Aの実施に伴う暖簾の償却の増加により会計上の利益が圧縮されることで、配当金の総額が減少する可能性というのもある。
要は、キャッシュフローは伸びていても会計上の利益が暖簾の償却で圧縮されるので、配当性向40%にこだわった場合には配当金の総額が減ってしまうことも今後の展開によってはあり得る。
こうした点を踏まえて、株主への還元については、その配当金の総額の維持向上を目指し、キャッシュフローの状況を踏まえながら機動的な株主還元を行う方針。
25年度の配当金予想は、今後、資産売却による収入を見込んではいるが、これは先ほど説明ました通り、今後の成長投資に向けた資金のアベイラビリティを確保すべく、有利子負債の削減に用いることを優先したい。
そのため、年間配当予想は90円で据え置き、結果的に配当性向は40%を下回り、31.6%となる見込み。
この点については、将来の成長と財務健全性を両立させるための判断であり、理解賜りたい。
<パーパスの実現に向けて…>(同28ページ)
同社グループは、セラミックスで最適を実現するというパーパスのもと、セラミックス技術でユーザーに最適なソリューションを提供し、世界の産業と社会の発展に貢献していく。これからの同社グループの新たな挑戦にも期待いただき、引き続きご支援をお願いします。
(IRuniverse 井上 康 )