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タンモリ相場好調で売上高は昨年越え―サン・アローの横山社長に聞く

2025/12/09 17:12
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タンモリ相場好調で売上高は昨年越え―サン・アローの横山社長に聞く

タングステンや超硬、モリブデンなどのレアメタルスクラップの回収、加工・選別、販売を行うサン・アロー(埼玉県越谷市)。その3代目である横山辰也社長にレアメタル相場や同社事業の動向について話を聞いた。レアメタル相場高騰の追い風を受け、売り上げも前年越えとなる見込みだという。

 

インタビューに回答する横山社長

――超硬スクラップやタングステンスクラップの相場状況が上昇傾向にある

会社や状況によっても異なるが、超硬スクラップの取引価格はキロ単価で1万円を超える水準にある。タングステンも上昇傾向にあり、現在は95ドルぐらいで推移している。

 

タングステンの調達についてはほぼ輸入頼り。一方、タングステンの国内発生分の調達はかなり難しい状況となっている。ほとんど紐づけの取引になっている認識で、取引価格も相当高騰しているのではないか。当社としても国内仕入れはゼロではないが海外から仕入れる方が若干安い相場感となっている。

 

国内でみるとスクラップに関しては、タングステンより超硬の方が集めやすい状況にある。超硬工具は日本全国で使用されており、“絶対になくなることのないスクラップ”といえるが、タングステンは添加剤としての用途が大半であり基本的には“消費”されるものであるため、国内ではタングステンスクラップ自体がほとんど発生していない。

 

ちなみに複合材料であるサーメットの相場は超硬の10分の1かそれ以下。タングステンやAPTの含有量が超硬と比べると4分の1程度であることに加え、不純物が多く、それを除去する手間もかかるためだ。昔ほど安くはないし、売れないわけではないが価値としてはかなり相当見劣りする。なお、当社に超硬スクラップが入ってくる際には事前にきちんと分けてくれる業者が多いため、混入していることはほとんどない。

 

――モリブデンスクラップやニッケル系は

一時はかなり上昇傾向だったが、足元でいえば結構落ち着いている状態。8~9月頃に使用量が下がりはじめ、価格も落ち着いた。

 

また、当社は来るもの拒まずスタイルでやっているので、ニッケル系は純ニッケル、合金ともに手広く取り扱っている。取扱量は昨年と比べると若干少ない状態。価格高騰に備えてメーカー側が昨年のうちにまとまった量を製造したことが影響したかもしれないが、足元では回復の兆しも見えている。

 

ただ、様々な金属が混ざった合金は一定量出てくるが、鉄とニッケルだけの綺麗な合金は減ってきており、36ニッケル、42ニッケルなどは調達が難しい状況になっている。。

 

――タングステンやモリブデンの相場が売上高にも影響したか

タングステンやモリブデンの相場上昇の影響を受けて、売上高も上がっており、おそらく昨年越えとなる見込み。やはり円安相場の影響もある。加えて、先代が運営を担っていた頃と比べると金属の市況自体が上がっている。当時は超硬が数百円で取引されていたと聞いている。

 

しかし、利益率でいえば、あまり変化はない。取り扱い数量もそこまで増えては無く年間で2000トン弱。輸入も若干の増加に留まっている。国内と海外の比率は少しずつ変わってきており、現在は海外からの比率が大きくなっている。。

 

――最後に

当社はずっと前からアナログな手作業による選別を重視しており、顧客にもそれを評価いただいていると考えている。もちろん、機械やシステムが日々進化しており、優秀なものが出回っていることも承知しているが、それだけでは不十分であり、最後には熟練の職人のワザが大切となってくる。他社でも新たなシステムや機械を入れて選別作業をオートメーション化したが、うまく続かないケースも多いと聞いている。科学的ではないかもしれないが、理屈ではない職人の“違和感”を大事にしていかなければならない。また、現場を知り、知識を習得するとも同じぐらい重要。当社の男性社員は事務職や営業職であっても、一度は現場で働かせるようにしている。

 

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業界全体が人材確保に悩む中、同社は現場作業員が2名入社。昨年も事務を2名雇用し、事務は計3人体制に増員したという。聞けば会社行事として年2回(釣りに関心の高い社員有志はプラス2回)の釣り企画を開催するなど福利厚生にも力を入れているという。売り上げが過去最高記録を更新し続けているのは、レアメタル相場の高騰や熟練の選別技術だけが理由ではなく、横山社長の社員を大切にする想いもその一つといえる。取材時も本社で勤務するほとんどの社員が定時で退社。ホワイトな勤務体制が垣間見えた。

 

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

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