世界的な資源大手のRio Tinto社は11月4日、「2025年資本市場デー 2025 Capital Markets Day」において、“より強く、より鋭く、よりシンプルに”なることで業界をリードするリターンを実現するための新戦略の概要を発表した。同社は今年8月よりSimon Trott氏が新CEOに就任しており、豪メデイアによれば、これは同氏にとって就任以来初となる大規模な戦略説明会。同氏の指揮のもとでRio社が今後どのような改革を見せていくかが明らかになった。
発表内容の概要は同社Webサイトに掲載されているが、金属・鉱業分野においてRio社を世界で“最も価値のある”企業にするための戦略とのこと。まずは、「操業の最適化、プロジェクト実行(有機的成長のための新たな選択肢の創出など)、資本規律(厳格な資本配分、強固なバランスシートと業界トップのリターンなど)」といった項目が3つの戦略的柱として示された。
具体的には、“鉄鉱石、銅&アルミニウム、リチウム”という3つの世界クラス事業への集約および非中核プロジェクト・調査・プログラムの中止による組織の簡素化/ポートフォリオの絞り込み、さらに運用規律の強化による無駄の排除といった目標が掲げられ、これらにより、既存資産基盤から50~100億米ドルの機会的解放が予期されているという。曰く、「第三者資金調達が資本コストを下回るプロジェクトから資金を回収する」とのこと。なお、「鉄鉱石・チタン事業およびホウ酸塩事業の戦略的見直しは計画通り進行中」との記述も見られ、上記の“非中核プロジェクト”には二酸化チタンやホウ酸塩などの事業が含まれるものと考えられる。
また、同社は脱炭素化への注力も続けており、排出量50パーセント削減に向けた競争力ある脱炭素化経路を確立する目標を維持しつつ、2030年までの関連資本支出見積もりを10億~20億米ドル(従来50億~60億米ドル)へと下方修正した。
さらに、マイニング・ドット・コム紙(12月4日)やマイニング・ウィークリー紙(12月5日)が伝えているところによれば、Trott氏はこの日、投資家に対し、新規リチウムプロジェクトへの投資は“市場と収益性が裏付けられる場合のみ”進める方針を示したとのこと。進行中のプロジェクトの例としては、アルゼンチンのRincon塩湖プロジェクトやカナダのスポジューム鉱山開発案件などが挙げられたそう。なお、地元の強い反対に遭いながらも同社が長らく開発計画を進めていたセルビアのJadarリチウムプロジェクトは、社内内部メモが先月半ばに報道されたことにより、“あらゆる作業の一時停止が決定され、維持管理状態に移行する”ことが明らかとなっている。
(IRUNIVERSE A.C.)