Loading...

大林組 建設現場発生のアルミスクラップの水平リサイクルフローを構築

2025/12/18 12:27 FREE
文字サイズ
大林組 建設現場発生のアルミスクラップの水平リサイクルフローを構築

新築建物でアルミサッシとして再生利用が実現

 株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、12月18日、建設資材における循環型経済・脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、不二サッシ株式会社(本社:神奈川県川崎市、社長:江崎裕之)、伊藤忠メタルズ株式会社(本社:東京都港区、社長:中谷次克)の2社と連携し、大林組が請け負う解体工事で発生するスクラップからアルミ材を選別回収して、アルミサッシに再生し、再び大林組の建設現場で利用するまでのトレーサビリティを明確にした水平リサイクル(※1)フローを構築したと発表した。

1.社会的背景

 2050年カーボンニュートラル実現を目指し、建設業界では建設物のライフサイクル全体のCO2排出量であるホールライフカーボン(※2)の削減につながる取り組みを進めている。その中でもアップフロントカーボン(※3)の削減は建設会社による貢献度が高いため、建設物の設計、施工段階で、リユースやリサイクル建材を積極的に採用していく資源循環の取り組みが、資源有効利用促進法の観点でも重要。

 大林組は資材製造時のCO2排出量が大きい鋼材に着目し、2024年6月に国内初となる建物解体後の鉄骨構造部材を新築建物へリユースする取り組みを始め、同年11月には、鉄スクラップの水平リサイクルフローを構築するなど、リユースのための設計手法の検討、技術開発や、リサイクルのための最適な輸送フローの構築といったさまざまな建設資材の循環利用に取り組んでいる。

2.取り組みによる効果

 同フローの適用第一弾として、東京都内の建物解体工事で発生したスクラップからアルミ材を選別し、伊藤忠メタルズが回収、加工し、管理し、不二サッシに供給する。不二サッシは、回収されたアルミ材を原料化して、アルミサッシを製造し、大林組が施工する大林組技術研究所(東京都清瀬市)のオープンラボ3(OL3)新築工事第2期部分で利用。この取り組みにより、新材のみを利用したアルミサッシに比べ、製造時CO2排出量を約80%削減する。また、今回の取り組みでは、アルミスクラップの排出元と再利用先を特定し、サッシ工場近郊エリアを中心に一連の作業を完結させるフローを構築したことで、輸送によるCO2排出量も軽減している。

3.今後の展望

 大林グループは、長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision 2050」を策定し、「地球・社会・人」と自らのサステナビリティを実現するために多様な環境の取り組みを進めていく。

※1 建設業界で掲げる水平リサイクルについて
コンクリート塊を再生コンクリート骨材、アスファルト・コンクリート塊を再生アスファルト合材として再生利用するなど、建設廃棄物を元の建設資材に再生資源化することや、貴重な資源を最終処分せずに有効利用を進めること

※2 ホールライフカーボン
建設資材の製造、輸送を含む施工、運用、解体、廃棄されるまでの建物のライフサイクルで発生するCO2排出量

※3 アップフロントカーボン
建設資材の製造段階(原材料調達、輸送、製造)および、施工段階(現場への輸送、施工)に発生するCO2排出量

 

(IR universe rr)

関連記事

新着記事

ランキング