静脈産業に特化したM&Aアドバイザリーファームであるベイニング(庭月野賢秀代表)と森・濱田松本法律事務所が編著を務めた単行本「循環型社会実現のためのM&Aの法務・実務」(発行:民事法研究会)が2026年1月13日に出版される。長年にわたり静脈産業でM&Aやリサイクルの現場実務に携わってきたベイニングメンバーの知見を活かした一冊となっている。
同書は経済成長と環境負荷のジレンマを解く循環経済を現実に実現させる手段として、廃棄物の処理・処分、リサイクル(再資源化)を担う「静脈産業」の企業同士や、製造業などの「動脈産業」を接続するM&Aの要諦を実践的に解説したもの。▽第1章 循環型社会の形成と本書の意義▽第2章 静脈産業の概観▽第3章 廃棄物処理法の法制度と実務▽第4章 リサイクルの法制度と実務▽第5章 動静脈連携に向けた企業経営とM&Aの活用▽第6章 静脈産業のM&Aにおける実務上の留意点▽第7章 ケース・スタディ――の構成となっている。
発行元である民事法研究会のホームページのほか、Amazonなどの各種ネット通販でも購入できる。
ベイニングの庭月野代表のコメントは以下の通り。
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静脈産業(特に廃棄物処理分野)のM&Aは、通常の製造業やサービス業の買収とは決定的に異なります。事業の根幹に許可が存在し、行政との関係性が継続的に影響を及ぼし、過去の操業履歴が将来の法的・環境的リスクとして顕在化する可能性を常に孕んでいるからです。
こうした特性にもかかわらず、実務の現場では「通常のM&Aと同じ感覚」で検討が進められ、後から想定外の問題が発覚するケースが少なくありません。本書は、そのような失敗がなぜ起きるのかを構造的に解きほぐし、どの段階で、何を、どこまで確認すべきかを明確に示しています。
デューデリジェンスでは、単なるチェックリストではなく、「その論点が取引判断にどのように影響するのか」という視点が貫かれています。契約交渉では、M&Aの契約条項を形式的に並べるのではなく、静脈産業特有のリスクをどのように契約で制御すべきかが具体的に解説されています。
M&Aを“成立させること”ではなく、“成立後の事業運営”を見据えた実務書として、本書を活用ください。
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【参考記事】
【CEシンポ登壇企業紹介】静脈産業に信頼ありきのM&Aを―ベイニング株式会社
(IRuniverse K.Kuribara)