Loading...

【年末企画 チタン原料】総じて下落、酸化チタンの需要減で心理悪化 鉱石価格34%安

2025/12/21 17:29
文字サイズ
【年末企画 チタン原料】総じて下落、酸化チタンの需要減で心理悪化 鉱石価格34%安

 2025年のチタン原料価格は総じて下落した。世界的な製造業の低迷を背景に、用途の6割を占める塗料向けの酸化チタン価格が1割安となり、業界全体の心理が悪化した。鉱石価格が大幅に下落し、鉄鋼価格の下落を受けてフェロチタンもだだ下がりだった。合金向け金属チタンは中国市場で上昇したが、上昇率は4%と小幅にとどまった。

 

■二酸化チタン10年ぶり安値、供給過剰で一部減産

過去3か月間の二酸化チタン価格の推移(ルチルTi02 93%min Fob China)($/ton)

 

 二酸化チタン価格は11月28日に$1835/tonを付け、12月に入ってからは動きがない。年初($2040)からは10.0%安い水準で、2016年夏以来の安値圏に沈んでいる。年前半は夏に向け$2000を超える場面があったものの、急落し持ち直せなかった。

 酸化チタンは2025年を通して供給過剰が意識された。日本国内に限っても、アナテーゼ型もルチル型も需要の回復が遅れているにもかかわらず生産量を落とさないため、在庫が少しずつ増え続けた。

 

関連記事:国内酸化チタンPSI実績Report #44 ルチル型の在庫量4年連続増加

 

 世界的にも事情は同じで、オーストラリアでは資源大手のアイルカ・リソーシズ(Iluka Resources)が秋に減産に踏み切った。

 

関連記事:豪Iluka Resources社 二酸化チタン製品の需要低迷で12月からミネラルサンド事業を一部停止へ

 

■フェロチタンと鉱石価格は3割安で5年ぶり安値

過去3か月間のフェロチタン価格の推移(Ti 70% EU)($/kg Ti)

 

 鉄鋼価格の世界的な下落も響いた。鉄鋼向けのフェロチタンはあおりを受ける形で値下りし、12月20日に$5.075/kgと、年初($7.15)から29.0%安い水準に落ち込んだ。こちらは上げる場面もなく、年間を通してほぼ一本調子で下落。2020年12月以来5年ぶりの安値圏にある。

 

過去3か月間のチタン鉱石価格の推移(TI02 50% Fe203.14%)(US/ton)

 

 最終需要の低迷は原材料需要への悲観につながり、鉱石価格も落ち込んだ。チタン鉱石価格は12月7日に$248.5/ton。年初($372.5)からの落ち込みは33.3%に達した。やはり2020年夏以来の安値圏に沈む。

 

■金属チタンは小幅高、航空機向けは堅調も大きな期待にならず

過去3か月間の一般産業向けスポンジチタン価格の推移( China)($/kg) 

 

 唯一、気を吐いたのが金属チタン。中国の一般産業向けスポンジチタンは12月20日に$6.52/kgと、年初($6.259)比で4%上げた。

 米中対立などを背景に、中国から米英へのチタン輸出は滞った。流通が細るとの見方がスポンジチタン価格の下支え要因になった。

 

関連記事:チタン:中国スポンジチタンの輸出について(25年7月):米国向け5ヵ月連続ゼロ

 

 また、主用途である航空機向けが堅調ではあった。しかし、航空機も米国などで当局による規制があり、大きな需要拡大期待には結びつかなった。

 

関連記事:チタン:スポンジチタンメーカーの輸出好調で、株価も堅調というけれど・・・

 

  2026年も、少なくとも前半は現在の供給過剰局面が続きそうだ。供給の調整や在庫消化が進み、需要が戻れば、年後半には反発することも考えられる。

 

(IR Universe Kure)

関連記事

新着記事

ランキング