2026年1月のチタン原料市場は持ち直している。用途の6割を占める酸化チタン価格が年末年始の備蓄刺激を狙った企業の値上げ発表を受けて上昇し、回復ムードが浮上している。ただ、最終需要の弱さから合金向けの金属チタンや鉄鋼向けのフェロチタンは動きが鈍く、産業全体の回復までは見通せない。
■酸化チタン、7月以来の高値を回復
過去3か月間の二酸化チタン価格の推移(ルチルTi02 93%min Fob China)($/ton)

酸化チタンは1月9日に仲値$1925/tonを付け、2025年7月下旬以来の高値を回復した。11月14日-11月27日の$1825を底に持ち直した。ただ、中長期には2016年秋以来、ほぼ9年ぶりの安値水準にある。
FerroAlloyNetは1月9日までの週刊レポートで、「年末に調達先の備蓄需要を刺激する目的から、複数のメーカーが一斉に価格引き上げを発表する局面があった」と指摘した。メーカーは鉱石価格の高止まりなどからかねてコスト圧力にも苦しんでおり、減産などの措置を取ってもいたという。供給減観測とメーカー側の強気の姿勢で、価格は持ち直した。
■鉱石と四塩化チタンが酸化チタンに追随、ルチルも動く
酸化チタン価格の回復を受け、原料となる鉱石やルチル、酸化チタンに追随しやすい四塩化チタンも価格が回復している。鉱石価格は1月9日に$250.5/tonを付けた。動きの出にくいルチル価格も12月1日に$1035/ton、1月1日に$1045と段階的に値を上げた。四塩化チタンは8月下旬以来、およそ5か月ぶりの高値を付けた。
過去3か月間のチタン鉱石価格の推移(TI02 50% Fe203.14%)(US/ton)

過去3か月間のルチル価格の推移(95% Ti02 bulk Fob豪州)($/ton)

過去3か月間の四塩化チタン価格推移(99.99%min EXW China)(Rmb/mt)

■金属チタンは小幅高、フェロチタン横ばい
一方、金属チタンは上値の重さが目立った。合金向けの一般産業向けスポンジチタンは1月9日に仲値$6.403/kgを付けた。直近安値である12月24日-1月8日の$6.386からは小幅に戻したものの、微調整の範囲内だ。 FerroAlloyNetは「合金工場は2025年末も在庫を十分に抱えていた」とし、スポンジチタンメーカーは備蓄増を見込んだ価格引き上げが難しかったと説明した。
フェロチタンは11月28日の$5075/kgから横ばい。航空機向けスポンジチタンは2023年初めから横ばいが続く。
過去3か月間の一般産業向けスポンジチタン価格の推移( China)($/kg)

過去3か月間のフェロチタン価格の推移(Ti 70% EU)($/kg Ti)

過去3年間の航空機向けスポンジチタン価格の推移($/kg)

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1月5日

化学大手の堺化学工業は1月5日、自社ホームページ上で「顔料級酸化チタンの生産を2025年末で終了した」と発表した。
顔料向け酸化チタンは同社の祖業の1つだったが、中国勢との競争激化で撤退に至った。今後は電子材料や化粧品材料に注力する。
プレスリリース:顔料級酸化チタン生産終了等に伴う小名浜事業所組織再編および人事異動に関するお知らせ.pdf
12月23日
岩谷産業は12月23日、オーストラリアのミネラルサンド(チタン鉱石・ジルコン)事業会社のコバーン(Coburn Resources Pty Ltd)を12月15日に買収したと発表した。
関連記事:岩谷産業、オーストラリアでミネラルサンド事業を買収
12月22日
アルミ総合メーカーのUACJは12月22日、航空宇宙・防衛材事業本部の発足を発表した。
関連記事: UACJ:航空宇宙・防衛材事業に関する事業説明会開催(航空宇宙・防衛材事業本部の発足)
11月27日
一般社団法人日本チタン協会は11月27日、2025年度の表彰式・記念講演・懇親会を如水会館(東京・千代田)で開催した。
関連記事: 2025年度表彰式・記念講演・懇親会が如水会館で開催された@日本チタン協会
(IR Universe Kure)