経済産業省と環境省は13日、中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会の第64回合同会議をハイブリッド形式で開催。2026年4月から開始予定の自動車リサイクル資源回収インセンティブ制度についてはその効果に期待する声があった一方で、中小企業の参入障壁が高い点を懸念する意見も多く挙がった。
資源回収インセンティブ制度は、解体業者や破砕業者が破砕残さ(ASR)になる前に樹脂やガラスを回収した際、本来ASRになる見込みだった重量が減量されることから、その減量分に相当する再資源化費用(ASRリサイクル料金)を、資源を回収した事業者へ経済的インセンティブとして付与する制度。自動車所有者が預託するリサイクル料金の一部を原資として活用する予定だ。

ただし、経産省が解体・破砕業者向けに実施したアンケートによると、制度の認知度は高いものの、制度への参加意向を持つ企業は4割程度にとどまるという。回答者からは、▽ELV取扱量の減少やプラスチック部品の買取価格など事業採算性が不透明▽事務作業や契約・監査業務への対応などの負荷が大きい▽設備投資や人員確保の負荷が大きいなどの意見が挙がっている。インセンティブを受け取るには制度に則した体制構築への投資が避けられないため、中小企業にとっては参入障壁が高い制度といえる。
日本自動車リサイクル機構代表理事の石井浩道委員は、「中小事業者に『45台分のデータ提出』という膨大な事務作業を求めている現状は、現場の疲弊を無視した高いハードル」と強調。「やる気のある業者が(制度の枠組みから)振り落とされる現状は本末転倒である」とし、現実的な仕組みへの転換を強く求めた。他の委員からは「制度への参加意向に地域差が生じている」という指摘もあった。

これに対し経産省担当者は、有識者を交えて障壁をなくすための対策を現在も検討中であることを報告した。また、4月に制度をスタートさせた以降も柔軟に改善していく旨を明かした。「ベストプラクティスを積み重ね、(他地域に)横展開していく」方針だ。
(IRuniverse K.Kuribara)