WSA(世界鉄鋼協会)加盟世界70か国合計の2025年12月の粗鋼生産量は、1億3,960万トンで前月11月実績(1億4,060万トン)比0.7 %減、前年同月(1億4,500万トン)比でも3.7 %減。前年同月比では4か月連続で減少した。
25暦年粗鋼生産量は18憶4,941万トン(前年比2.0 %減)となり、24暦年を下回った。2年連続で減少。18憶5千万トンを下回るのは、2018年以来となる。
2025暦年上半期の世界70か国合計の粗鋼生産量(実績)は、9億3,620万トンとなり前年同期(9億5,240万トン)比1.7 %減だった。
<アメリカ合衆国 暦年での粗鋼生産量 日本を上回る見通し>
アメリカ合衆国の12月の粗鋼生産量は、速報値では690万トンとなり、日本の速報値657.5万トンを上回った。
2月から7か月連続で日本を上回って推移しており、 その結果、アメリカ合衆国の2025暦年の粗鋼生産量は8,195.1万トン、と暦年比では2年ぶりに増加となり、日本の累計(8,068万トン)を約132万トン上回った。
日本は2000年以降、アメリカ合衆国の粗鋼生産量を上回って推移してきたが、日本の粗鋼生産量は暦年比で3年連続で減少し、2025暦年はアメリカ合衆国を下回ることとなった。
<インド及び中国の粗鋼生産量>
世界第2位のインドが速報値では1,480万トンで前年同月比では10.1 %増と増加したものの、
中国は、6,818万トン[前月実績(6,987.1万トン)比では2.4 %減]、前年同月(7,600万トン)比で10.3 %減と、8か月連続で減少した。月間生産量としては2025暦年最低を記録。 12 月の1日当たりの粗鋼生産は219.9万トンで、前月2025年11月実績(232.9万トン)から約13万トン減少。
<中国を除くその他の粗鋼生産量>
中国を除くその他の12月の粗鋼生産量(速報値)は、7,140万トンと前月(7,070万トン)比1.0 %増、前年同月(6,900万トン)比でも、3.5 %増となった。
図1に2024年7月~2025年12月までの、世界(70か国:世界計の約98%を占める。)、中国及びその他の粗鋼生産量及び前年同月比推移を示す。
上位10か国の内、日本、ロシア、韓国、ドイツ及びブラジルは、前年同月比で減少した。

図1 世界(70か国:世界計の約98%を占める。)、中国及びその他の粗鋼生産量及び前年同月比推移
<暦年上半期:中国>
2023暦年上半期の中国の粗鋼生産量は、5億3,163.6万トンだった。
2024暦年上半期の中国の粗鋼生産量は、5億2,773万トンとなり、前暦年同期比では0.7 %減となった。
2025暦年上半期の中国の粗鋼生産量は、5億1,489万トンと前年同期比2.4 %減だった。 共に5憶トンを超えた。
<暦年実績:中国>
中国の2024暦年粗鋼生産量は、10億509万トンとなり、2023暦年(10億2,886万トンに修正)比2.3 %減となったものの、5年連続で10億トン超えとなった。
内需に対する過剰感は強まっており、鉄鋼メーカーは採算とシェア維持のため余剰の鋼板類を輸出しつつ、内需が振るわない中でも高水準の鉄鋼生産が維持された。
2025暦年は、6年ぶりに10億トンを下回り9億6,081万トン(前年比4.4 %減)と7年ぶり(2018年以来)の低水準となった。
メディアは、不動産市場の長期低迷による需要減衰が背景としているが、不動産投資ショックの影響だけであれば、その場合は6,7か月で回復が予想される。このことより構造的な需要減少トレンドによるものと、鉄鋼連盟ではみている。
<鋼材輸出:中国>
中国の2024暦年の鋼材輸出は、前年比22.7 %増の1億1,072万トンと2015年の1億1,240万トンに次ぐ、9 年ぶりの高水準を記録した。
2015年、2016年以来の3度目の1億トン超え。対外貿易額では、前暦年比5 %増の43兆8,500憶元(6超1,600憶ドル)と、過去最高を記録した。
中国の12月の鋼材輸出は1,130万トン(前年同月比16.2 %増)、25暦年では1億1,902万トン(前年同期比7.5 %増)、暦年では過去最高を記録した。 中国の輸出が高水準を推移するなか、26年1月現在の25暦年の新規AD調査開始件数は31件(うち中国を含むものは23件)となった。24暦年は41件(うち中国を含むものは30件)だった。
<世界鉄鋼協会の加盟国数の変更>
世界鉄鋼協会の加盟国は、2023年1月に63か国となった。
・アフリカにはチュニジアが加わり、アジア及びオセアニアはモンゴルが加わった。
・一方、ロシア+CIS(ロシアを除く)及びウクライナ総計からは、モルディブ及びウズベ キスタンが除かれた。
・ヨーロッパ他からボスニア・ヘルツェゴビナが除かれた。
その後、2023年10月から71か国となった。
・アフリカは、アルジェリア、モロッコが加わった。
・中東は、バーレーン、イラク、ヨルダン、クウェート、オマーン、イエメンが加わった。
2025年1月から2025年4月はヨーロッパ連合からハンガリーが、及びロシア+CIS(ロシアを除く)及びウクライナ総計からはベラルーシが除かれ、下記69か国となった。
2025年5月(速報)からは、ロシア+CIS(ロシアを除く)及びウクライナ総計に再びベラルーシが加わり、下記70か国となった。

<2025年11月実績>
鉄鋼連盟が発表した主要国の粗鋼生産量によれば、
上位10か国の11月(実績)の粗鋼生産量は、
中国6,987.1万トン(10月7,200万トン)
インド1,384.1万トン(前月1,356.3万トン)
日本677.6 万トン(前月685.4万トン)
米国680万トン(前月691.7万トン)
ロシア519万トン(前月529.8万トン)
韓国496.5万トン(前月500.9万トン)
トルコ331.2万トン(前月320.8万トン)
ドイツ284.1万トン(前月312.7万トン)
ブラジル280万トン(前月298.8万トン)
イラン335.6万トン(前月331.6万トン)となった。
前年同月比では、中国、日本、米国、韓国、ロシア、ドイツ及びブラジルが、減少した。イランは2か月連続で、、ブラジルを上回った。
Table 1に、2025年12月の地域別粗鋼生産量及び2025年1-12月累計生産量と前年同期比を示す。
アジア及びオセアニアの12月は、9,970万トンと1億を下回り、前年同月比6.3 %減、1-12月累計でも、1億3,245万トンと前年同期比2.4 %減 となった。
前年同月比で増加となったのは、EU、その他ヨーロッパ、中東、及び南アメリカとなった。

Table 2に、2025年月12月の世界上位10位国の粗鋼生産と前年同月比及び2025年1-12月累計生産量と前年同期比を示す。

<インド>
2022暦年も好調であった世界第2位の粗鋼生産国であるインドは、2年5か月以上、前年同月比増を継続していたが、2024年9月には、1,178.3万トンとまで減少し、前年同月(1,174.5万トン)比0.3 %増となった。
2024年3月以降、月の生産量は6月及び9月を除き、1,200万トン超えを継続。2025年3月からは1,300万トン(8月からは1,400万トンを上回った)。
9月は再び1,300万トン台で推移。 2023暦年では、2022暦年(1億2,537.8万トン)比12.0 %増の1億4,076.2万トンとなった。 月換算では、1,173万トン。
2024暦年では、1億4,882.4万トンとなり、前暦年比5.7 %増。 月換算では、1,240.2万トン。
2025年12月では、1,480万トンと、2024暦年月換算を上回る。 2025暦年では、1億6,490万トンとなり、前暦年を10.4 %上回った。月換算では、1,374万トン。 日本の月粗鋼生産量の約2倍となった。
図2に、上位10か国の粗鋼生産量の暦年推移を示す。 中国は1996年、インドは2017年に日本の粗鋼生産量を上回った。

図2 上位10か国の暦年粗鋼生産量推移
<上位10か国の2024暦年 粗鋼生産量>
2024暦年の粗鋼生産量は、
インド1億4,941.9万トン
中国10億509万トン
日本8,400.9万トン
米国7,945.7万トン
ロシア7,100.7万トン
韓国6,364.8万トン
トルコ3,689.3万トン
ブラジル3,388.0万トン
イラン3,135.7万トンとなった。
前年度比では、インド、ブラジル、トルコ及びイランが増加した。
<上記10か国の2025暦年上半期 粗鋼生産量>
2025暦年上半期の粗鋼生産量は、
インド8,084.2万トン
中国5億1,489万トン
日本4,054.4万トン
米国4,028.1万トン
ロシア3,503.7万トン
韓国3,107.8万トン
トルコ1,830.2万トン
ブラジル1,651.2万トン
イラン1,591.9万トンとなった。
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