2026年2月初めまでのバナジウム価格は上昇基調。五酸化バナジウムは$5/lbの節目を超えた時点でいったん調整が入っているが、底堅さも目立つ。2026年に入ってから2025年までの綱引き状態が破られて取引が活発化し、短期的な供給不足を背景にメーカー側が強気の姿勢になっているようだ。
■1月初旬に均衡破られる
過去3か月間の五酸化バナジウム価格の推移(V205 fob China)($/lb Vo205)

五酸化バナジウムは1月23日に仲値$4.97/lbを付けた。1月9日に$5.005と2024年10月以来1年3か月ぶりに$5の節目を上抜けたが、目先的な目標達成感からいったん調整が入っている。ただ、1月23日以降は動きがなく、下値も堅い。
Ferroalloynetの1月30日までの週刊レポートによると、「五酸化バナジウム市場は1月上旬にやや混乱した」という。2025年末にかけて取引量が減少する中で強気姿勢を示すメーカー側と最終需要の鈍さから価格引き下げを試みる調達者側との綱引きが続いていたが、年明けに均衡が破られた。年末の取引減で市場は品薄になっており、一時的にメーカー側の要求が通りやすくなっているという。
過去3か月間のフェロバナジウム価格の推移(V78%min US$/kg EU)($/kg)

鉄鋼向けのフェロバナジウムは1月28日に$24.525/kgと、2025年6月以来の高値に上げた。こちらは調整は特に入らず、上昇基調を続ける。フェロバナジウムは他の合金向け非鉄金属の価格上昇の流れで投機的に備蓄する流れがあったほか、「アルミニウム粉末など他の鉄鋼の補助材料の価格上昇も寄与した」(Ferroalloynet)とされる。
バナジウム市況は五酸化バナジウム・フェロバナジウムともに、中長期で見れば2022年春をピークにじり安が続き、2016年以来ほぼ10年ぶりの安値水準にある。最終用途である鉄鋼需要が低迷しバナジウム需要自体が回復しているわけではないため、本格反発までは遠い。
1月21日
レアアース大手のオーストラリアン・ストラジック・マテリアルズ(Australian Strategic Materials、ASM)は1月21日、米ウランのエナジー・フュエルズ(Energy Fuels)に身売りすると発表した。国際的大手の傘下に入りバナジウム生産事業などを強化する。
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(IR Universe Kure)