2月9日16時、丸一鋼管は15時半に発表した26/3期3Q決算を受けて説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。

<決算ハイライト>
〇3Q累計
・営業利益は、米国の回復が寄与し前年同期比で増益(+34.9%)
・丸一鋼管単体営業利益は、販売数量が前年同期比で減少(▲2.8%)するものの、市況低迷の中でも採算性を重視した製造販売に努め増益(+18.0%)
・丸一ステンレス鋼管は、米国へのステンレス管の輸出減や半導体向けBA管の低迷により減益(▲33.0%)。来年度下期以降の回復を見込む
図表1、25年度3Q実績(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇26/3期見通し修正
・日本セグメントの厳しい需要を踏まえ、連結通期計画の修正を実施
・修正計画は、売上高、各段階利益共に前回通期計画比では下方修正となるものの、営業利益は前年度実績比で+86億円を予想
・配当額は前回公表額を維持(配当性向46.7%)、自己株式の取得を含めた総還元性向は117%を予想
図表2、25年度見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
<26/3期3Q実績>
●売上高
・売上高は、前年同期比で日本▲7.5%・アジア▲17.4%と減収になったが北米は+0.4%と増収
・日本は、単体が販売数量の減少(▲2.8%)および販売単価の下落により減収(▲7.8%)。 また丸一ステンレス鋼管も減収(▲7.4%)
・北米は、西海岸のMAC(+10.9%)・MOST(+8.2%)の販売数量が好調に推移し増収を確保
・アジアは、インドのKUMA(+13.9%)・フィリピンのMPST(+19.5%)の販売数量が好調に推移し 増収を確保したものの、ベトナムのSUNSCOが大幅な販売数量の減少により減収
●営業利益
・営業利益は、前年同期比で日本+12.9億円、北米は米国の回復により+49.8億円の増益。アジアはKUMAの減益(▲2.1億円)より微減益▲1.7億円
・3Q累計売上高営業利益率は13.1% (25/3月期は8.9%)
●経常利益
・営業外損益は、受取配当金の減少などから前年同期比9.3億円の悪化
●当期利益
・徳別損益は、投資有価証券評価損の発生はあったものの、前年同期実績には従業員に対する 譲渡制限付株式の付与による特別損失の発生があったことから、前年同期比29.3億円の改善
〇セグメント営業利益
●日本
・単体は販売数量が減少したものの、全社で採算性を重視した取組 により前年同期比で増益(+20.7億円)を確保
・丸一ステンレス鋼管はBA管の販売数量の低迷もあり前年同期比 で減益(▲5.0億円)
●北米
・米国構造用鋼管4社は前年同期比で増益(+54.7億円)
・MMX(メキシコ)は微減益
●アジア
・SUNSCO(ベトナム)が前年同期比で増益に転換(+1億円)。 MPST(フィリピン)は微増益となったもののKUMA(インド)が 減益(▲2.1億円)
〇個社別売上高・営業利益
資料の8ページ参照
〇営業利益の増減
資料9ページの青い部分が営業利益の増減増益要因、オレンジ色で書いてあるところが減益要因。
丸一単体と北米4社がが、それぞれ増益。SUNSCOは数量減から74億円の減収になったが、営業利益はプラスに転じた。
10ページ目が数量要因。目立つのが日本の単体(分母が大きいので減少率だと▲2.8%)と、ベトナムのSUNSCOの減少。
●単体の増減
販売数量・単価ともに減少したが、市況低迷の中でも採算性を重視した製造販売に努め増益を確保
〇個社別販売環境と取組み
●日本
◆丸一鋼管/丸一鋼板
・国内自動車生産台数は、メーカーにより違いはあるものの、関税の影響は見られず堅調に推移し生産台数が増加する見通し。 住宅関係、中小建築案件は、人手不足による工事の先送り等により引き続き低調
・データーセンター物件、国土強靭化工事等を重点営業分野と位置づけ、グループ会社一体となり戦略的に取り組む
・丸一鋼販は、浜松加工センターに最新鋭のドイツ製切断加工機を追加導入(8月より稼働)。自動車向け鋼管の切断能力を増強し、更なる需要捕捉に注力
・国内の丸一鋼管グループで製造する主要な鋼管について、環境製品宣言(EPD:Environmental Product Declaration)を取得
◆丸一ステンレス鋼管(MST)
・半導体関連BA管は、足元需要は低調ではあるが、サムソン社/韓国ピョンテク地区の設備投資やTSMC/Arizona、Micron/Idahoの設備投資の情報もあり、来年度下期以降の需要回復を見込む
・ステンレス管は、造船向けを除いて需要は低迷し問屋向けの出荷量減少が続いた。一方、2026年度石油化学プラントの定修案件やゴミ焼却施設の取替工事案件等の引合が出てきており、取込みを強化中
●北米
◆LEAVITT/MNT(中西部)
・LEAVITT:サービスセンターが様子見の状態、農機具関連も低迷状態であり、CRUは下降トレンドとなったが、9月の受注量は回復の兆しがみえた
・MNT:25年5月にスリッター稼働開始。スリットコイル購入から原コイル購入への切り替え完了
在庫圧縮・納期短縮・コスト削減に寄与
◆MAC/MOST(西海岸)
・市況が比較的安定していることから、受注・出荷ともに好調。年末に向け在庫レベルを注視していくが、大きな市況落ち込みの可能性も低く在庫評価損等に結びつくようなリスクは小さいと見ている
・MACは25年11月にカリフォルニア州OSHA(米国労働基準局)の安全衛生プログラムGolden_Gateを取得。190万拠点あるとされる同州の企業のうち、同承認を受けているのは90社
◆MST-X(テキサス)
・導体需要低迷による販売数量減のリカバリー策として、半導体以外のOil&Gas、自動車向けのBA管、計装配管大手問屋や大手継手メーカーへの拡販活動を推進中。26年2、3月納期で計装配管大手問屋向けにトライアルオーダーの受注が確定。同用途の生産に必要な検査機器や印字機は26年2月に設置完了予定
◆MMX(メキシコ)
・3Qのメキシコ自動車生産台数は101万台、前年同期比▲1.8%減。日産及びマツダの新車販売は低迷
・モンテレー新工場立ち上げに向け、自動車以外の分野や、メキシコ国内需要をTargetにした新規顧客を開拓中
●アジア
◆SUNSCO(ベトナム)
・輸出鋼板は、米国向け数量が大幅減を受けた一方、利益率の高いパイプは米国向けで大幅増
国内鋼板は、サンドイッチパネルやプロジェクト対応など付加価値の高い製品を強化
・ハノイは、政府によるガソリンバイク規制強化をきっかけに二輪車のEVシフトが加速。二輪車向けを主力とするEVメーカー・VinFastからの受注もあり堅調に推移
◆KUMA(インド)
・9月22日から施行されたサービス税減税に伴う需要増を見越した生産積み増しや堅調な需要により、3Q生産台数は、前年同期比で二輪車+15.0%、四輪車+19.1%、商用車+19.8%増。販売も好調を維持
・生産台数増の影響で3Qの販売数量は前年同期比21.3%増となるも、客先の要望で販売単価の低い現地母材への切り替えが進んだことなどでスプレッドが悪化
・営業利益率改善のため、販売価格の見直し、コスト削減等を推進中
◆MPST(フィリピン)
・3Qの二輪生産台数は40.1万台、前年同期比+11.4%増、二輪販売台数は48. 7万台で+17.9%増
・自動車向け拡販に着手し、新たに新規アイテムを受注。更なる新規部品分野の案件にも引き続き注力
<足元の環境認識>
足元の環境については資料の16-17ページを参照
<26/3期業績修正>
営業利益、経常利益とともに通期の計画から9億円下方修正した。資料の20ページ以降は個社別に示しているので参照。
〇設備投資と原価償却
26/3期は217億円の設備投資を予定していたが、着地見込みとしては190億円ぐらいになる見通し。これに伴い償却費が増えるが70億強から80億円弱と、ほぼ予定通り。
<株主還元>
直前では、25/3期で55円と76円で円環131円だったが、26/3期は25年10月1日に3分割をしたので、その端数もあり67.50(分割前の金額)、合計で134円50銭の通期配当ということで進める。配当成功は46.7%。
右側に200億円と120億円規模の自社株買いの実績。総還元性向は117%を予想。
(IRuniverse 井上 康)