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住友金属鉱山:25年度3Q決算説明会を開催、業績見通しを上方修正

2026/02/10 09:19
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住友金属鉱山:25年度3Q決算説明会を開催、業績見通しを上方修正

 2月9日18時、住友金属鉱山は14時に発表した26/3期3Q決算を受けて電話にて説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。説明は清水広報IR部長が行った。

 

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<25年度3Q実績>

〇3Q前年同期比較(資料8ページ)

 今3Qの金属価格及び為替レートの実績については、資料左下の表にある通り、3月決算会社に適用される4-12月平均の前年対比は、銅と金の価格が上昇、ニッケルの価格は下落、為替は円高となった。

 12月決算会社に適用される1-9月平均の前年対比についても、銅と金の価格は上昇、ニッケルの価格は下落、為替は円高となった。

 このような金属価格及び為替レートのもと、税前利益は、前年同期間に比べ1,002億円増加し、1,483億円となった。

 8ページ上段のグラフのその他(+594億円)に示している通り、24年度3Qにおいて計上したニッケル系での減損損失約▲535億円の影響がなくなったこと、既存の銅動向山と金鉱山に加え、ケブラダ・ブランカ(QB)銅鉱山とコテ金鉱山の立ち上がりにより、銅価格と金価格上昇の恩恵をより享受できたこと、また、材料事業の好転などが増益の主な要因。

 

図表1、25年度3Q実績(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<25年度業績予想>

〇前回対比

 業績予想の前提とした金属価格及び為替レートについて、資料左下の表を参照。3月決算会社に適用される4-3月平均の前回予想対比については、銅・金に、ニッケルの価格は上昇、為替は円安と想定。

 12月決算会社に適用される1-12月平均の前回予想対比についても、銅・金価格は上昇、為替は円安と想定。

 この前提のもとで見直した業績予想では、税前利益は2,090億円と、前回の予想から880億円の好転を予想。

 その主な増減要因は、13ページ上段のグラフで示している通り、金属価格の好転や為替を円安で想定したことによる価格条件差と在庫評価影響の大幅な好転などによるもの。

 なお、詳細は、話せないが、その他(▲232億円)には、今回の業績予想から今年度中に発現する可能性のあるリスク要因として、数十億円半ばの減益を織り込んでいる。

 グラフの右端に25年度の実力損益の予想を記載している。これは、今回の業績予想から、金属価格や為替の変動局面において発生する要因とその他の特殊要因を除いたもの。今回の業績予想における25年度の実力損益は、前回から200億円の上方修正となる1,400から1,300億円と想定。銅、金、ニッケル価格の上昇や為替の円安進行などがその主な要因。

 

図表2、25年度見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<トピックス>

財務戦略の基本方針、株主還元方針の変更及び配当予想の修正に関するお知らせについて

 同社は、中期経営計画2027において、財務戦略の基本方針を自己資本比率50%超に維持することとし、株主還元については、剰余金の配当は原則配当性向35%以上とし、下限指標はDOE2.5%とするとともに、機動的な自己株式の取得を実施するとしていたが、この度、財務戦略の基本方針と株主還元方針を変更し、合わせて2025年度の配当予想を修正した。資料の4ページを参照。

 財務戦略の基本方針の変更については、資本コストを意識した経営を推進するため、自己資本比率の適正水準を55%と位置付け、株主還元等を強化し、28/3期までに58%を目指す。

 株主還元方針の変更については、剰余金の配当は、原則、配当成功35%以上とし、DOEの水準を自己資本比率が同社の適正水準とする55%を上回る間は、2.5%から3.5%パーセントに引き上げる。

 この方針は、25年度の配当から適用する。なお、株主還元は剰余金の配当を中核とするが、同社の財務状況や成長投資の計画などを踏まえながら、自己株式の取得などを機動的に実施していくという点については、これまで通りで、変更はない。

 

〇株主還元(資料の5ページ)

 見直しを行った25年度の業績予想に基づき、年間配当予想の見直しを行った。

 今回は、配当性向35%よりもDOE3.5%の方が大きくなることから、DOE3.5%を適用するとし、期末配当の予想は、前回発表の1株当たり66円に対し52円増配し118円とする。この結果、1株当たりの年間配当金は183円となる予定。

 

【以下、ポイントのみの説明】

〇損益分析

●資源セグメントの売上総利益について(同24ページ)

 資料左上、売上総利益のボックスを参照。資源セグメントの売上総利益は、366億円増益の862億円となった。

 菱刈鉱山は、25年度は年間販売金量を3.5トンとし、計画的に操業を行っている。24年度と比べ、金価格の上昇により価格差が好転。

 コテ金鉱山は順調に操業を行っており、金価格の上昇の追い風を享受。なお、コスト単価差▲63億円については、24年度のコストの認識が8月の商業生産開始以降であったことによる差異が主な要因で、トラブル等に起因するものではない。また、25年度第3Q累計実績は、25年1-9月までの9ヵ月間を対象としているが、24年度3Q累計実績は24年1-11月までの11ヵ月間で連結している。

 モレンシー銅鉱山は、12月決算会社に適用される1-9月の銅価格の上昇により価格差が、また、操業コスト削減や効率向上の取り組みの成果等により、コスト単価差が好転した。

 次に、持分法投資損益について。セロベルデ銅同鉱山、カンデラリア銅鉱山は、主に12月決算会社に適用される1月の銅同価格の上昇により価格差が好転し、いずれも増益となった。

 QB銅鉱山は、設備不調等により、損益も前年同期間並みにとどまった。

 次に、セグメント損益について2点補足。

 QB銅鉱山の開発に際し、同社が現地の銅鉱山運営会社に対して必要資金の融資を行っており、その融資に対する受取金利が、24年度3Q累計実績、25年度3Q実績ともに含まれている。

 加えて、24年度3Q累計実績には、アイアムゴールド社によるコテ金鉱山の権益買い戻しオプション行使による譲渡損益が含まれているが、25年度3Q累計実績には含まれていない。

●製錬セグメントの売上総利益について(同25ページ)

 資料左上、売上総利益のボックスを参照。 製錬セグメントの売上総利益は、641億円の増益となる641億円となった。

 増益の主な要因は、先ほど説明した前年度に計上したニッケル系の減損損失約▲535億円の影響がなくなったことだが、それ以外の要因について説明する。

 まず銅系、価格条件差、加工収入、TC/RCが低下したことにより悪化した。在庫評価は、金属価格の上昇により好転した。その他は、硫酸などの特産品の価格上昇等により好転した。なお、硫酸価格の上昇は、銅系では利益に貢献するが、フィリピンのHPALにおける主要操業資材のため、ニッケル系ではコスト単価の悪化につながる。

 続いてニッケル系、価格条件差はニッケル価格低迷により悪化した。コスト単価差は、硫酸価格の上昇などはあったものの、各拠点の操業コストの低下や、昨年現存損失を計上したCBNCの減価償却の減少等により好転した。在庫評価は、コバルト価格の上昇のほか、ニッケル価格の下落の速度が前年度よりも緩やかであったことが好転の主な要因。

 その他の好転は、先ほど説明した減損損失の影響がなくなったことが主な要因。

●材料事業の製品群別売上高(同26ページ)

 電池材料については、順調に操業を続けているが、販売価格に連動する金属価格が下がったため、減収となった。

 機能性材料については、パッケージ材料の事業環境悪化に加え、24年度に譲渡した建材事業の売り上げが無くなったことにより、その他が減収となった。

 一方で、データセンター関連の電子部品向け部材、粉体材料や結晶材料については堅調に推移した。

 次に、セグメント損益について。電池材料の好転については、25年3月期決算において減損損失を計上したことによる減価償却費の減少や、金属価格上昇による受払差の好転が含まれている。

 機能性材料事業は、データセンター関連の電子部品向け部材等の需要が堅調であったため、増益となった。

 

〇対前回損益分析(同27ページ)

 今回の業績予想の前提となる金属価格や為替について。まず、資料39ページ、金属価格、為替平均の推移を参照。下から3行目が3月決算会社の4Q、26年1-3月予想の前提となる価格と為替。左から、銅1万2,000ドル/トン、ニッケルは7.5ドル/ポンド、金は4,200ドル/トロイオンス、為替は155円/ドル。

 続いて、27ページ参照。25年度の今回予想と前回予想の損益分析の右上のボックス。金属価格、為替の平均価格。冒頭で説明した通り、前回予想の前提となる銅、ニッケル、金の価格は上昇、為替は円安水準での推移を想定。

●資源セグメントの売上総利益(同28ページ)

 資源セグメントの売上総利益は、280億円の増益となる1,350億円と予想。菱刈鉱山とコテ金鉱山は、いずれも金価格の上昇による価格差の好転を予想。コテ金鉱山の数量差は、販売時期差によるもの。

 モレンシー銅鉱山は、銅価格の上昇により価格差の好転を予想。また、コスト単価差の好転は、操業コストの削減や効率向上の取り組みの成果等を見込んでいる。

 次に、持分法投資損益について。セロベルデ銅鉱山とQB銅鉱山は、計画に大きな変更はなく、12月決算会社に適用される1-12月の銅価格の上昇による価格差の好転を予想している。なお、QB銅鉱山は、現在進めている備行体積設備への対応が完了すれば、競争力が高く、長期にわたり当社の収益基盤となる銅鉱山という位置づけは変わっていません。

 ジョイントベンチャーパートナーと引き続き協力し、創業の安定化に取り組んでまいります。

 カンデラリア銅鉱山については、前回予想の生産計画から大きな変更はなく、12月決算会社に適用される1-12月の銅価格の上昇による価格差の好転を予想しているが、会計上の未実現利益調整額の増加などにより、持分法投資損益としては前回予想に比べ悪化する。

●製錬セグメントの売上総利益(同29ページ)

 製錬セグメントの売上総利益は、610億円の増益となる980億円と予想。

 銅系では、在庫評価が為替の円安の進行と金価格と銀価格の上昇による好転を、その他は硫酸など副産品の価格上昇による好転を予想。一方、コスト単価の悪化は、一部設備の不調による減産、減販による単位コストの悪化によるもの。なお、当該設備への対応は完了し、通常の操業に戻っている。

 ニッケル系では、価格条件差がニッケルとコバルト価格の上昇による好転を、在庫評価が金属価格の上昇と円安進行による好転を予想。なお、コスト単価差の悪化は、硫酸等の資材代の上昇とフィリピンHPAL拠点の減産による単位コストの悪化を予想。

●材料セグメントの製品群別売上高(同30ページ)

 電池材料事業については、前回予想から大きな変更はなく、同水準を予想。なお、26年度中に正極材品種の切り替えを行うという予定に変更はない。

 機能性材料事業については、電子部品市場における需要には濃淡があるが、全体としてはデータセンター関連の電子部品向け部材の好調な推移を見込んでいる。

 

<参考>

図表3、四半期別セグメント別利益の推移(億円)

注意:上段は実績及び会社予想、下段は実力ベース

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

図表4、四半期別資源セグメントの税前利益推移(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

図表5、四半期別材料セグメントの税前利益推移(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

図表6、四半期別業績推移(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

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