2月11日15時半、東海カーボンは25/12期決算を発表した。続く26/12期の業績見通しを発表した。後日開催予定の決算説明会後再度報告する予定。
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<25/12期実績>
〇環境
黒鉛電極事業では国内生産拠点の統合や欧州子会社の売却といった構造改革を完遂し、収益基盤の強靭化に向けたコスト改善等を推進した。また、スメルティング&ライニング事業については、同事業を経営企画部直轄組織とした上で、欧州事業拠点に複数名の執行役員を派遣するなど、ガバナンス体制を強化し、抜本的な構造改革案の策定を加速させた。中長期的な成長やサステナビリティの観点からは、主力のカーボンブラック事業において、タイの生産拠点移転プロジェクトを推進する一方、ブリヂストンより、タイのカーボンブラック生産拠点の買収を行ったほか、使用済タイヤ等からカーボンブラックを再生させるプロジェクトを着実に進めている。また、新規事業分野においても、環境省の助成を得て、炭素循環型社会の構築に向けた機能性固体炭素製造技術の開発・実証に取り組んでいる。
〇業績
売上高は前期比7.8%減の3,229億円。営業利益は同33.3%増の258億円と減収増益。経常利益は同16.5%増の263億円。当期利益は200億円(同▲564億円)。なお、今期は、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前期に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させている。
図表1、25/12期実績(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇セグメント状況
●カーボンブラック
タイヤメーカーにおいて生産調整等が実施されたことにより販売数量減となり、売上高・営業利益ともに前期比で減少した。
この結果、売上高は同6.2%減の1,470億円となり、営業利益は同39.5%減の131億円。
●ファインカーボン
メモリ半導体市場向け主要製品ソリッド SiC フォーカスリングの販売数量が前期比で増加したことに加え、米国・黒鉛加工会社の KBRと MWIの全株を取得し連結子会社化(孫会社化)した影響もあり、売上高は前期比増加。一方で、パワー半導体市場の成長減速、中国市場での競争激化、および連結子会社化に伴うのれん等の償却費の増加が影響し、営業利益は前期比で減益となった。
この結果、売上高は同3.9%増の559億円となり、営業利益は同38.1%減の77億円。
●スメルティング&ライニング
アルミニウム製錬炉の改修需要の回復遅れと取引先の在庫調整が継続しており、アルミ電解炉用カソードの販売数量は減少したが、コスト削減の推進や昨年度に実施した減損処理に伴う償却費負担軽減により、営業損益は前期比大幅に改善し、黒字転換致した。
この結果、売上高は同4.3%減の617億円となり、営業利益は15億円(同▲137億円)。
●黒鉛電極
構造改革の一環として、日本では滋賀工場での生産を終了し、防府工場への生産集約。また、当社完全子会社であるTOKAI ERFTCARBON GmbH社の株式譲渡を行い、25年4月より連結から除外。
この結果、売上高は同23.0%減の375億円となり、営業利益は23億円(同▲35億円)。
●工業炉及び関連製品
工業炉及び発熱体の主要市場であるエネルギー関連業界、電子部品業界における設備投資は引き続き停滞した。
この結果、売上高は同34.1%減の107億円となり、営業利益は同31.4%減の22億円。
●その他
・摩擦材
鉱山向けは期末にかけて国内および東南アジアにおける需要減少の影響を受けたものの、建機向けはスポット受注が増加し、二輪車向けも堅調に推移。
この結果、摩擦材の売上高は同0.1%増の79億円。
・負極材
ESS(Energy Storage System)向けの需要は低迷しているものの、スポット需要が発生した。
この結果、負極材の売上高は同1.6%増の17億円。
・その他
不動産賃貸等その他の売上高は同1.5%減の1億円。
以上により当事業の売上高は同0.4%増の98億円となり、営業利益は同52.9%増の6億円となった。
<26/12期見通し>
「抜本的な構造改革」、「成長市場へのコミット」、「サステナブルな価値創出」の3つの取り組みにより、長期ビジョンである「先端素材ソリューションで持続可能な社会に貢献する」の達成を目指す。
「抜本的な構造改革」に関しては、黒鉛電極の改革効果を最大化するための取り組みを進め、スメルティング&ライニング事業においては収益改善に向けた抜本的な構造改革策を可及的速やかに固めた上で、ただちにこれに取り組む。「成長市場へのコミット」に関しては、カーボンブラック事業の中長期的な成長に不可欠な設備投資を行い、半導体市場とともに成長が見込まれるファインカーボン事業と工業炉事業は生産能力の拡大と新規用途の開発など市場の開拓に努める。「サステナブルな価値創出」に関しては、持続可能な社会の実現のためのソリューションの提供を同社のコアバリューと位置づけ、喫緊のカーボンニュートラル対応を推進する一方、価値創出の源泉である人的資本への投資を拡充し、多様な人材が活躍できる組織風土の醸成に取り組む。
これらの取り組みを通じ、2030年のありたい姿として、売上高5,000億円、EBITDA20%、ROIC12%を目指す。
なお、経営成績見通しの前提となる為替レートは、1ドル=153円を想定。
図表2、26/12期業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
<参考>
図表3、四半期業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
図表4、セグメント別利益率推移(%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
※その他の利益率が今4Qで急に改善してるが、今後の続くのかに注目したい。同社の発熱体は、世界的にみてもシェアが高いので、従来から好採算品であった。この製品は工業炉関連に計上されており、工業炉としても販売されており、炉になると利益率が落ちる傾向にある。
(IRuniverse 井上 康)